椎間板ヘルニアが腰痛の原因?
腰痛になると「私はヘルニアですか?」と聞かれる方が多いです。
また、長年ヘルニアで腰痛に苦しんでいますとおっしゃられる方も多く来院されます。
スポーツ選手がヘルニアになって戦線離脱などニュースになることも多いので、ヘルニアになるとしばらく動けなくなるのではないかという不安にかられるのではないでしょうか。
そこで今回はヘルニアについて理解を深め、安心して対処できるように解説していきます。
椎間板ヘルニアとは
まず椎間板というものは、背骨(椎骨)の骨と骨の間にある軟骨でクッションの役割をしています。ただしクッションの役割をしているのは椎間板だけではなく背骨全体の緩やかなS字カーブがその役割をしています。
椎間板は中心に髄核、そのまわりを線維輪というものでできていて、イメージとしては玉ねぎを輪切りにした状態と似ています。
ヘルニアというのは、「脱出」や「突出」という意味なのですが、その椎間板の髄核が外に押し出されて「突出」した状態のことをいいます。
レントゲンでは椎骨の隙間が狭く映ったり、MRIでは椎間板が後ろに盛り上がっていたりするのが確認できます。
椎間板ヘルニアの症状は
突出した椎間板が脊髄から出てくる神経を圧迫したとき、足に力が入らなくなったり、感覚が鈍くなったりします。
ちょうど正座をして足が痺れたときと同じです。足を触っても感覚がおかしかったり、足が上がらずつまずいたり、足が麻痺した状態です。
またひどくなると膀胱直腸障害といっておしっこをもらしたりすることもあります。
椎間板ヘルニアと聞くとすごく痛みがあって動けないようなイメージがありますが、腰の痛みというよりも足に麻痺症状があるかが判断基準になります。
腰痛の原因の5%
椎間板ヘルニアが原因で腰痛がおきる割合は全体の5%ぐらいです。
えっ⁈ たったそれだけって思いますね。
また85%は原因が不明といわれています。
無症状でも76%はヘルニア
1995年に発表された論文なのですが、腰痛のない無症状の人を46名集めてMRIを撮ったところ、76%の人にヘルニアが見つかりました。なんと4人のうち3人は腰痛がないのにヘルニアがあるということになります。
腰が痛くてレントゲンやMRIを撮ってヘルニアといわれても足に麻痺症状がでてなければ、それはヘルニアでは無いかもしれません。
間違った認識による 「不安」や「恐れ」が痛みをより長引かせます。
痛みの原因をしっかり知って早く痛みから解放されるよう、お役に立てると思います。
一度ご相談ください。