
院長:表川お気軽にご相談ください!


こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。今日はこんなご相談をよくいただきます。「部活でジャンプするたびに脛に痛みが走るんですが、これって大丈夫ですか?」と。


脛の痛みは「たかが筋肉痛」と思って放っておく方がとても多いのですが、実は原因によっては早めのケアが必要なケースもあります。この記事では、脛の痛みの正体から自分でできる対処法、そして再発を防ぐための考え方まで、できるだけわかりやすくお伝えしていきますね
先日も中学2年生のバスケ部の選手が来院されて、「ジャンプのたびに脛の内側がズキズキする」とおっしゃっていました。しばらく湿布を貼って様子を見ていたそうですが、一向によくならないどころか、だんだんひどくなってきたと言っていました。
地区大会まであと1ヶ月、休むに休めない。そんなつらい状況でした。あなたにも、思い当たることはありますか?
スポーツ中にジャンプしたり走ったりするたびに脛(すね)の内側が痛くなる症状、これは「シンスプリント」と呼ばれるスポーツ障害の代表的なサインである可能性があります。正式には「脛骨過労性骨膜炎」といい、繰り返しの衝撃によって脛の骨の表面にある骨膜に炎症が起きた状態のことをいいます。
難しい言葉が並びましたが、要は「脛の骨が使いすぎてダメージを受けている」という状態です。特に部活を始めたばかりの時期や、急に練習量が増えたときに起こりやすいのが特徴です。
シンスプリントは特定の競技や状況の方に多く見られます。陸上・バスケットボール・バレーボール・サッカーなど、走ったりジャンプしたりを繰り返すスポーツをしている方に多く、なかでも中学・高校生の成長期の選手に非常に多い症状です。
また、固い地面での練習が多い方や、クッション性の低いシューズを使っている方、土踏まずが低い(扁平足ぎみの)方なども発症しやすいといわれています。「自分がなぜ痛くなったのか」を知ることが、改善への第一歩になります。
最初は「運動を始めたときだけ痛い」という段階から始まります。動いているうちに痛みが和らいでくることも多く、「ウォームアップすれば大丈夫」と感じる方も多いです。しかしそのまま無理を続けると、「運動中ずっと痛い」「運動後にも痛みが残る」「安静にしていても鈍く痛む」という段階へと進んでいきます。
痛みの場所は、脛の骨の内側・下半分あたりが多く、指で押すと痛みを感じることがほとんどです。「脛全体が痛い」というよりも、ある一点を押したときに強く痛むという方は要注意です。
ここが多くの方がいちばん気になるところではないでしょうか。脛の痛みと聞いて「もしかして骨折?」と不安になる方はとても多いです。実際、シンスプリントと脛骨の疲労骨折は症状が似ているため、自己判断が難しいこともあります。
大きな違いのひとつは「押したときに痛む範囲」です。シンスプリントの場合は脛の内側の広い範囲を押すと痛みがありますが、疲労骨折の場合は骨折部位のごく一点だけを押すと強烈な痛みが走ることが多いです。
また、疲労骨折では安静にしていても痛みが続いたり、夜間に痛みが強くなったりすることがあります。「なんとなく最近痛みが強い気がする」「休んでもぜんぜん楽にならない」という場合は、早めに専門家に診てもらうことをおすすめします。
完全な診断は専門家でないとできませんが、自分でできる確認として「かかと落とし」があります。かかとをわずかに上げてから、ストンと落とす動作をしたときに脛に鋭い痛みが走る場合は、疲労骨折の可能性が高まります。シンスプリントでは比較的この動作での痛みが少ないことが多いです。
ただし、これはあくまでも目安です。痛みが強い場合や、なかなか回復しない場合は、自己判断で対処し続けるのではなく、きちんと診てもらうことが大切です。
「明日も練習がある」「とにかく今の痛みをなんとかしたい」という方のために、今日からできる対処法をお伝えします。もちろんこれは応急処置であり、根本的な解決には専門家によるケアが必要ですが、まずは正しいセルフケアを知っておくことが大切です。
練習後に脛が熱を持って痛む場合は、アイシングが有効です。氷をビニール袋に入れてタオルで包み、痛む部位に10分から15分ほど当てるようにします。直接氷を肌に当てると凍傷になることがあるので気をつけてください。
アイシングは「炎症を抑える」ための手段です。痛みが和らいでも、炎症が完全に落ち着いていない段階で無理をすると症状が悪化することがあります。痛みが引いたからといって、すぐに全力で動くのは避けるようにしましょう。
脛に負担がかかる原因のひとつに、ふくらはぎの筋肉の硬さがあります。ふくらはぎが硬くなると、その分のストレスが脛骨にかかりやすくなるからです。壁に手をついて、後ろ足のかかとをしっかり床につけながら前に体重をかけていくストレッチを、左右それぞれ30秒ほど行ってみてください。
足裏のアーチが崩れている方は、足裏を柔らかくするセルフケアもあわせて行うと効果的です。テニスボールやゴルフボールを足の裏で転がすだけでも、足裏の筋膜がほぐれて脛への負担が変わることがあります。
扁平足ぎみの方や、足のアーチが落ちている方には、インソール(足底板)の使用が有効なことがあります。市販のものでも効果を感じる方は多いですが、できれば足のアーチに合わせた専門的なものを選ぶとより効果的です。
テーピングについては、脛の内側をサポートする貼り方があります。正しい貼り方を知らないまま行うと逆効果になることもあるので、整骨院や専門家に教えてもらうことをおすすめします。
「シンスプリントになりやすい人」と「なりにくい人」の差はどこにあるのでしょうか。もちろん練習量の急増や硬い地面などの環境的な要因もありますが、それ以上に大切なのは「体全体のバランス」です。
脛だけを治療しても、体の使い方や姿勢のクセが残っている限り、同じ場所に同じ負担がかかり続けてしまいます。たとえば、歩き方や走り方のクセ、骨盤の傾き、足首の硬さなど、さまざまな要因が脛への過剰な負担につながっています。
ひとつは「オーバープロネーション(過剰な回内)」です。着地のたびに足首が内側に倒れすぎることで、脛骨に捻れの力が加わり続け、骨膜に炎症が起きやすくなります。次に「骨盤の後傾(後ろ傾き)」も関係しています。骨盤が後ろに傾くと、体重を受け止める際に下半身への衝撃が大きくなりやすいです。
また、体幹の弱さも見逃せません。体幹が弱いと着地の衝撃を全身で分散させることができず、局所的に脛への負担が集中することがあります。「脛が痛い」という症状であっても、その原因は脛だけにあるわけではないのです。
「休みたいけど、大会が近くて休めない」という声はとても多いです。完全に休むことが理想ですが、現実的には難しい場面もあることはよくわかります。ただ、痛みを無視して練習を続けることは、疲労骨折への移行リスクを高めるため、賢い選択とはいえません。
大切なのは「練習の質と量をコントロールしながら、回復のためのケアをセットで行う」ことです。たとえばジャンプ系の練習を一時的に減らし、水中ウォーキングや自転車など脛への負担が少ない運動で体力を維持しながら、同時にストレッチやセルフケアをしっかり行う。こうした工夫で、競技を続けながら症状を改善している選手もたくさんいます。
回復の目安として知っておいてほしいのが、「痛みが出るタイミング」の変化です。最初は「運動中ずっと痛む」段階から始まり、「運動終盤だけ痛む」「運動直後だけ痛む」「翌日には痛みがない」「まったく痛まない」という順番で改善していきます。この段階をひとつずつ確認しながら練習強度を上げていくことが、安全な復帰の鍵になります。
「先週より痛みが出るのが遅くなってきた」という変化に気づけると、回復しているサインとして自分自身のモチベーションにもなります。毎日の変化を記録しておくのもよい方法です。
シンスプリントは、適切にケアすれば改善する症状です。しかし同時に、再発しやすい症状でもあります。一度よくなってもすぐに同じことを繰り返してしまう方の多くは、「痛みが消えたからもう大丈夫」と判断して、根本的な原因に向き合わないまま練習に戻ってしまっています。
再発を防ぐためには、痛みがなくなった後も「なぜ痛みが出たのか」を振り返り、足の使い方や練習環境を見直す機会にすることが大切です。シューズが自分の足に合っていないかもしれない、練習前後のケアが足りなかったかもしれない。そういった視点で自分の習慣を見直すことが、長く競技を続けるための土台になります。
シューズのクッションが減っていると、衝撃が直接脛に伝わりやすくなります。「まだ見た目はきれい」でも、ソールが圧縮されて機能が落ちていることがあります。目安として、500キロメートルから800キロメートル程度で買い替えを検討するとよいといわれています。
練習する地面も重要です。アスファルトよりも土のグラウンド、土よりも芝生というように、やわらかい地面ほど脛への負担が少なくなります。可能であれば、練習場所を意識的に選ぶことも予防のひとつです。
脛の痛みは「ただの筋肉痛だろう」と思いがちですが、放置すると疲労骨折に発展するリスクもある、注意が必要なサインです。わたし自身、施術歴30年以上のなかで、「もっと早く来てくれれば」と感じるケースを何度も経験してきました。
痛みがあるまま無理をして取り返しのつかない状態になってほしくない。そういう思いでこの記事を書きました。「自分の症状がどの段階なのかわからない」「どこに行けばいいかわからない」という方も、ひとりで抱え込まずにいつでも気軽にご相談ください。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



