
院長:表川お気軽にご相談ください!
こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。今日は、歩くときや立ち上がるたびに股関節がポキッ・コキッと鳴る、そんなお悩みについてお話しします。
先日、こんな相談をいただきました。「床から立ち上がるときに毎回パキッと音がするんですけど、これって大丈夫ですか?痛みはないんですが、なんか怖くて…」と。30代の女性患者さんで、ヨガ中に音が鳴って気になりだしたとのことでした。
痛みがないと「まぁいいか」と後回しにしてしまいがちですよね。でも、股関節の痛みに発展する前に、音が鳴る理由をきちんと知っておくことはとても大切なんです。


「音が鳴るだけで痛みがない」というケースでも、からだが発しているサインを見逃さないでほしいのです。30年以上みてきた経験からいえば、こういった音の変化が、あとあと大きな不調のきっかけになることは決して珍しくありません
この記事では、股関節から音がする仕組みや種類、危険なサインの見分け方、そして自宅でできるケアの方法まで、できるだけわかりやすくお伝えします。ぜひ最後まで読んでみてください。
股関節は、骨盤のくぼみ(臼蓋)に太ももの骨の丸い頭(大腿骨頭)がはまりこんだ「ボールとソケット」のような構造をしています。この関節は体重のほぼすべてを支えながら、歩く・しゃがむ・体をひねるといった幅広い動きを担っています。
そんな大切な関節が音を立てるとき、「いったい中で何が起きているんだろう」と不安になる気持ちはよくわかります。実は、股関節から音が鳴る原因にはいくつかの種類があって、それぞれまったく意味が違うんです。まずはその「音の正体」から整理してみましょう。
股関節の音は、大きく分けると「関節の外で起きているもの」「関節の内側で起きているもの」「関節の変化によるもの」の3種類に分類できます。どこで・どんな音が・どんな動作で鳴るのかを意識すると、原因の見当をつけやすくなりますよ。
歩くたび、足を上げるたびに「パキッ」「ポキポキ」という音が繰り返し鳴る場合、弾発股(スナッピングヒップ症候群)が疑われます。太ももの外側を走る「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」や、鼠径部を通る「腸腰筋(ちょうようきん)」などの腱が、骨の突起部分を乗り越えるときに「ひっかかって弾く」ことで音が生じます。
デスクワークで長時間座っている方や、ランニング・ダンスなど股関節をよく使うスポーツをされている方に多く見られます。最初は音だけで痛みがないことがほとんどですが、放置すると炎症が起きて痛みをともなうようになるケースもあります。
関節をぐっと動かしたときに「コキッ」と一度だけ鳴って、しばらく鳴らなくなる……というパターンは、関節の中を満たしている「関節液」に溶け込んでいたガスが気泡になってはじける現象(キャビテーション)である可能性が高いです。指を鳴らしたときのポキッという感覚と同じ原理です。
これ自体はからだに害があるわけではないと考えられていますが、繰り返し同じ動作で鳴り続けるようであれば、関節への負荷や姿勢のくせが影響していることもあるので、一度確認してみることをおすすめします。
「ゴリゴリ」「ギシギシ」というような摩擦音がともなう場合は、関節内の軟骨がすり減ってきているサインかもしれません。40代以降の女性に多い変形性股関節症では、軟骨がクッションの役割を果たせなくなり、骨どうしが直接触れ合うような状態になることで、こういった異音が生じます。
この場合は音だけでなく、朝起きたときのこわばり、動き始めに感じるつっぱり感、歩行距離が長くなると出てくる痛みなどのサインもあわせて現れることが多いです。
音が鳴るからといって、すべてが深刻というわけではありません。ただ、「ただの音」と「見逃してはいけない音」を区別するために、いくつかのポイントを頭に入れておいてください。
次のような変化がある場合は、お早めに専門家に相談することをおすすめします。
痛みがなくても、音の変化はからだからのサインです。「最近なんか違うな」と感じたら、そのままにしておかないでくださいね。
股関節から音が鳴るようになる背景には、いくつかの共通した要因があります。どれか一つが原因というより、複数の要因が重なって起きることが多いのが実情です。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用で、わたしたちのからだは股関節を曲げたままの姿勢を長時間保つことが多くなっています。その結果、股関節の前側にある腸腰筋や、外側の大腿筋膜張筋が慢性的にかたくなり、動作のたびに腱が骨にひっかかりやすくなってしまいます。
また、お尻の筋肉(臀筋群)が弱くなると、股関節全体の安定性が低下して、動くたびに関節に余計な負担がかかるようになります。筋肉のかたさと筋力不足、この両方が音の原因に関係していることが多いんです。
骨盤が傾いていたり、左右の高さがそろっていなかったりすると、股関節への荷重のかかり方がアンバランスになります。片方にばかり負担がかかる状態が続くと、腱のひっかかりや軟骨へのダメージが蓄積しやすくなります。
「なぜか右側だけ音が鳴る」「いつも同じ動作のときに鳴る」という場合、姿勢や歩き方のくせが影響していることがあります。自覚しにくい部分だからこそ、専門的な検査で確認することが大切です。
女性は骨盤が広く、股関節の角度が男性と異なるため、関節への負担のかかり方が変わります。また、妊娠・出産によって骨盤まわりの靭帯がゆるみ、産後に股関節の不安定感や音が気になりだすという方も少なくありません。
ホルモンバランスの変化も関節のやわらかさ(弛緩性)に影響するため、30〜40代の女性は特に股関節の変化に気をつけておくと安心です。
「すぐに病院や整骨院に行けない」「まずは自分でできることをやってみたい」という方のために、日常生活の中で取り組みやすいケアをご紹介します。痛みがある場合は無理をせず、気持ちよく動ける範囲でおこなってください。
長時間の座り仕事でかたくなりやすい股関節の前側を気持ちよく伸ばすストレッチです。片方の膝を床について、もう片方の足を前に踏み出した「ランジ」のような姿勢を取ります。骨盤を立てたまま、ゆっくりと前方に体重を移動させていくと、後ろ側の股関節前面からお腹の奥にかけて伸びる感覚が出てきます。そのまま30秒ほどキープして、反対側も同じようにおこないましょう。
股関節の安定に深く関わる中臀筋を鍛えることで、歩行時や体勢の変換時に関節にかかる余計な負担を減らすことができます。横向きに寝て、上になっている足をゆっくりと持ち上げ、2〜3秒キープしてから下ろす動作を左右10回ずつおこなうだけです。慣れてきたら回数を増やしていきましょう。
太ももの外側(腸脛靭帯まわり)がかたくなっていると感じる方は、テニスボールや硬めのクッションを太ももの外側に当て、体重をゆっくりかけながら転がすセルフマッサージが効果的です。痛気持ちいい程度の圧で、前後にゆっくり動かします。お風呂あがりの筋肉がほぐれたタイミングでおこなうと、より気持ちよく緩められます。
椅子に座るとき、足を組むくせのある方はできるだけ控えてみましょう。足を組むと骨盤が傾き、股関節への左右の負荷がアンバランスになります。また、床に座るときはあぐらよりも正座や横座りの方が股関節への負担が少ない場合があります。まずは「いつも同じ側だけ」という動作パターンを意識して変えてみることが、意外と大きな変化につながります。
「痛くないから大丈夫」……そう思いたい気持ちはよくわかります。でも、30年以上この仕事をしてきた経験からいうと、音が鳴り始めた時点でからだはすでに何かを訴えているケースが多いのです。
弾発股の場合、最初は無痛でも、腱の炎症が進むと歩くたびに痛みが出るようになります。変形性股関節症は、軟骨がすり減る段階では音や違和感が先行することが多く、痛みが強くなってから気づく方がほとんどです。こうなると改善に要する時間もかかりますし、日常生活への影響も大きくなってしまいます。
「音が鳴るだけ」のうちに正確な原因を知り、適切なケアをしておくことが、何よりの予防になります。自分でできるケアをしても変化が感じられない場合、あるいは音と一緒に違和感や痛みが出てきた場合は、ぜひ専門家に相談してみてください。
わたしが施術をおこなうときに大切にしているのは、「音が鳴っている場所だけを診ない」ということです。股関節の問題は、骨盤の歪み・腰椎の動き・歩き方のくせなど、からだ全体のバランスと深く関わっています。
当院では、関節・筋肉・神経・姿勢・歩行の5つの視点から検査をおこない、あなたの股関節の音や不調の本当の原因を特定します。問診から施術まで、わたし自身が一貫して担当しますので、些細な変化も見逃さずに対応できます。守山駅から徒歩5分、平日21時まで診療していますので、仕事帰りにも立ち寄っていただけます。完全予約制ですので待ち時間もありません。
股関節から音が鳴る原因は、弾発股・キャビテーション・変形性股関節症など複数あり、それぞれ対処法も異なります。痛みがない段階でも、からだは変化のサインを送っているかもしれません。
自宅でのストレッチやエクササイズを取り入れながら、音の変化を観察してみましょう。それでも気になる場合や、痛みが出てきた場合は、ひとりで抱え込まずに相談してください。あなたのからだのことを一緒に考えていきたいと思っています。どんな小さなことでも、気軽に声をかけていただければ嬉しいです。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



