
院長:表川お気軽にご相談ください!


こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。先日、産後4ヶ月のお母さんから、こんなご相談をいただきました。
「朝、布団から起き上がろうとするたびに腰が痛くて、最初の一歩がなかなか踏み出せないんです。赤ちゃんを抱き上げるときも怖くて…」
その言葉を聞いたとき、胸がぎゅっとなりました。赤ちゃんのそばにいてあげたいのに、体がついてこない。そのもどかしさは、本当につらいものがあると思います。
産後の腰痛でお悩みの方は、実はとても多いんです。産後の女性の60〜70%が腰に痛みを感じるというデータもあるほどで、決して珍しいことではありません。


産後の腰のつらさは「育児中だから仕方ない」とひとりで抱え込みがちですが、適切にケアすれば必ず楽になれます。原因をきちんと知って、赤ちゃんとの毎日をもっと笑顔で過ごしてほしい、その思いでこの記事を書きました
産後に腰の痛みが出やすいことには、いくつかのはっきりとした理由があります。「骨盤が歪んだから」とひとことで片付けられることも多いのですが、実際はもっと複合的な原因が絡み合っています。ここではそのしくみを、できるだけわかりやすくお伝えしていきますね。
妊娠中から出産にかけて、体の中では「リラキシン」というホルモンが分泌されます。このホルモンは赤ちゃんが産道を通りやすくするために、骨盤まわりの靭帯や関節をゆるめる働きをしています。出産後もしばらくはこのホルモンの影響が残るため、骨盤や腰まわりの安定性が下がった状態が続きます。
ゆるんだ状態で日々の育児をこなしていると、腰や骨盤に余計な負担がかかりやすくなるんです。
赤ちゃんがお腹にいる間、腹筋はずっと引き伸ばされた状態が続いています。出産後は筋肉の力が戻りきらないまま育児がスタートしてしまうことがほとんどで、腰を支えるべき体幹の力が足りない状態になっています。腹筋と腰は表と裏の関係で支え合っているため、お腹の筋力が落ちると腰に直接的な負担がかかります。
赤ちゃんのお世話は、前かがみになる動作の連続です。授乳のときも、おむつ替えのときも、抱っこのときも、気がつけば腰が丸まったり反り返ったりしています。一回ひとつの動作はわずかな負担でも、一日中繰り返すことで腰まわりの筋肉や関節はじわじわと疲弊していきます。
産後の腰の痛みは「骨盤だけ」の問題ではなく、ホルモン・筋力低下・育児姿勢が複雑に重なって起きています。
夜中の授乳、何度もの寝起き。産後のお母さんの体は、痛みを感じていても回復する時間がなかなかとれません。疲れた体は筋肉が緊張しやすくなり、それがさらに腰の痛みを強めるという悪循環につながることもあります。
「朝、起き上がるときがいちばんつらい」「抱っこしているとだんだん腰が限界になる」というご相談はとても多いです。それぞれの場面でなぜ痛みが出やすいのか、もう少し掘り下げてみましょう。
寝ている間、体はほとんど動かない状態が続きます。筋肉や関節が長時間同じ位置に保たれることで、朝は体全体がかたまった状態でスタートを迎えます。産後は骨盤まわりの安定性がもともと落ちているので、寝返りを打つとき、体を起こすときなど、ちょっとした動作でも腰に大きな負担がかかりやすいんです。
特に夜中の授乳が何度かあると、その度に寝起きの動作を繰り返すことになりますね。体が十分に起きていないまま動くことで、腰の筋肉に急激な負荷がかかってしまいます。
赤ちゃんを抱っこするとき、多くのお母さんは無意識に腰を反らせる「反り腰」の姿勢をとります。赤ちゃんの体重を受け止めようとするためなのですが、この姿勢が腰の関節や筋肉に集中的な負担をかけます。
抱っこが長くなるほど腰への負荷は積み上がっていき、痛みがどんどんと強くなるのはこのためです。体幹の力が弱い産後の体では、このつらさがさらに大きくなります。
産後の腰の痛みは、気づかないうちに慢性化していることがあります。次のような状態に思い当たることがあれば、ぜひ早めにケアを始めてほしいと思っています。
ひとつでも当てはまるものがあれば、体がSOSを出しているサインかもしれません。「産後だから仕方ない」と思って放っておくと、痛みが長引いて慢性化してしまうこともあるんです。
「いずれ自然に治るだろう」と思ってそのままにしてしまうケースも少なくありません。たしかに産後の腰の痛みが自然に落ち着くこともありますが、適切なケアを行わずにいると、痛みが半年、1年と長引いてしまう方も多くいらっしゃいます。
腰の痛みをかばう姿勢が続くと、今度は肩こりや背中の張り、頭痛など二次的な不調につながることもあります。また、「痛いから動かさないようにしよう」と思って体をかばい続けることで、腰まわりの筋肉がさらに弱くなるという悪循環に陥ることもあるんです。
育児の真っ最中で忙しいのはよくわかっています。でも、お母さんの体が元気でいることが、赤ちゃんの笑顔にも直結しています。早めに手を打つことが、結果として回復を早めることになります。
専門家に診てもらうことが大前提ではありますが、日常の中で少し意識するだけで腰への負担を減らすことができます。
赤ちゃんを持ち上げるとき、腰から曲げるのではなくひざを曲げながら持ち上げるようにしてみてください。腰への負担をぐっと減らすことができます。また、抱っこするときはできるだけ赤ちゃんを体に密着させ、お腹あたりで支えるようにすると腰への負荷が分散されます。
長時間の授乳では、背中が丸まった前かがみの姿勢になりがちです。クッションやまくらを使って赤ちゃんの高さを調整し、できるだけ背すじを伸ばした状態で授乳できるようにしてみてください。腰まわりの筋肉への負担がずいぶん違ってきます。
布団から起き上がるときは、いきなり上体を起こそうとせず、まず横向きに寝返りを打ってから、ひじをついてゆっくり体を起こすようにしてみてください。腰に一気に負荷がかかることを防ぐことができます。たったこれだけのことで、朝の痛みがかなりやわらぐ方もいらっしゃいます。
座って授乳したり、床でおむつ替えをしたりと、同じ姿勢が続くときはこまめに体勢を変えることを意識してみてください。30分に1回でも、少し立ち上がって体をほぐすだけで腰への負担は変わってきます。
産後の腰の痛みは、人によって原因が違います。骨盤の問題が主な方もいれば、筋力の低下が大きい方、姿勢のくせが主な原因の方もいます。同じ「産後の腰痛」でも、一人ひとりの体の状態によってアプローチの仕方は変わってくるんです。
これまで整骨院や病院に行ったけれど改善しなかった、湿布を貼り続けているけれど繰り返す、という方の中には「原因がきちんと特定されないまま施術を受けてきた」というケースが少なくありません。
痛みを根本からよくするためには、まず自分の体で何が起きているのかを正確に知ることが出発点になります。「なんとなく骨盤が歪んでいるんだろう」で終わらせずに、検査でしっかり原因を見つけることが大切です。
腰が痛いからといって、腰だけを診れば解決するとは限りません。私のところに来られる患者さんの中にも、実際には腰以外の部位に根本的な原因があったというケースが多くあります。股関節のかたさ、足首のアライメント、骨盤底筋の状態、体全体のバランスを丁寧に確認していくことで、はじめて本当の原因が見えてきます。
適切なケアを行えば、数週間から数ヶ月で改善するケースが多いです。ただし、放置したまま無理な育児姿勢を続けていると、半年〜1年以上つらい状態が続いてしまうこともあります。早めのケアが大切です。
はい、もちろんです。薬を使わない手技での施術であれば、授乳中でも安心して受けていただけます。赤ちゃん連れでご来院いただいても問題ありませんので、まずはお気軽にご相談ください。
骨盤ベルトは一時的に骨盤を安定させる助けにはなりますが、それだけでは根本的な筋力強化にはつながりません。ベルトに頼りすぎると、かえって体幹の筋肉が弱くなってしまうこともあります。補助的に使いながら、体そのものを整えることが大切です。
湿布は炎症や痛みを一時的に抑える効果はありますが、腰痛の根本的な原因である筋力低下・骨盤の不安定・姿勢のくせには働きかけることができません。「一時的には楽になるけれどまたすぐ痛くなる」というサイクルを繰り返している場合は、原因そのものへのアプローチが必要です。
産後の体の回復状態によって異なりますが、一般的には産後1ヶ月健診で異常がなければ整骨院での施術を受けることができます。出産後すぐの受診は担当の産婦人科の先生にご相談のうえ来院されることをおすすめしています。
痛みがあると、どうしても赤ちゃんとの時間に全力で向き合えなくなってしまいます。「抱っこしてあげたいのに怖い」「家事もままならない」そんな状況が続くと、気持ちまで落ち込んでしまいますよね。
私がこの仕事をしていてよかったと感じる瞬間のひとつは、腰の痛みから解放されたお母さんが「やっと思いきり抱っこができるようになりました!」と笑顔で話してくださるときです。体が楽になると、育児の向き合い方もがらっと変わります。
産後の腰の痛みは、あなたの体からの「ちゃんとケアしてほしい」というサインです。ひとりで「仕方ない」と我慢しないでください。30年以上この仕事を続けてきた私の経験からいえるのは、きちんと原因を探して向き合えば、体は必ず変わるということです。
まずは現状をお聞かせください。あなたの体のことを一緒に考えて、一歩ずつ改善へ向かうお手伝いをさせていただきます。ひとりで悩まず、いつでも気軽に相談してくださいね。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



