
院長:表川お気軽にご相談ください!


こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。今日は足首の外側に痛みが出て、なかなか治らないとお困りの方に向けて、ある症状についてお話ししたいと思います。
先日、こんな患者さんが来院されました。「ランニングの後から外くるぶしの後ろが痛くて、湿布を貼っても全然よくならないんですが、これって捻挫とは違うんでしょうか?」と。そのお気持ち、とてもよくわかります。捻挫したわけでもないのに、じわじわと痛みが続く…それはとても不安ですよね。
その方の症状を詳しく伺うと、腓骨筋腱炎(ひこつきんけんえん)の典型的なサインがいくつも当てはまりました。


足首の外側の痛みは、捻挫と混同されやすいのですが、腓骨筋腱に炎症が起きている場合は、原因も対処法もまったく異なります。「なぜ痛くなったのか」を正しく理解することが、早く良くなるための第一歩です
足首の外側、とくに外くるぶしの後ろから下にかけてに、ズキズキとした痛みや腫れを感じたことはありませんか。その症状が、歩いているとき・朝の一歩目・つま先立ちをしたときに強く出るなら、腓骨筋の腱に炎症が起きている可能性があります。
腓骨筋はふくらはぎの外側に位置していて、足首の安定を保ったり、足を外側に動かしたりするときに働く筋肉です。その腱は外くるぶしの後ろをぐるりと回ってから、足の裏側に向かって伸びています。歩くたび、走るたびに繰り返し使われる部位なので、負担が積み重なると炎症が起きやすい場所でもあります。
放っておくと腱が変性してしまい、回復がどんどん遅くなるだけでなく、最終的には腱が断裂してしまうリスクもあります。「そのうち治るだろう」と思ってそのまま過ごしてしまう方が多いのですが、早めに原因を把握して対処することが大切です。
腓骨筋腱に炎症がなぜ起きるのか、そのしくみを知っておくことはとても重要です。原因を知ることで「自分はどのケースに当てはまるのか」が見えてきて、再発を防ぐための対策につながります。
いちばん多い原因のひとつが、いわゆるオーバーユース、つまり使いすぎです。ランニングや長距離歩行を日常的に行っている方、練習量を急に増やしたアスリートの方に多く見られます。
腓骨筋腱は外くるぶしの後ろという、動きのある狭い場所を通っています。足を踏み込むたびに腱がその骨のトンネルと摩擦を起こし、それが繰り返されることで炎症が生まれます。「最近少し走る距離が増えた」「部活でハードな練習が続いた」というタイミングで痛みが出始めた場合は、このパターンを疑ってみてください。
「昔に足首を捻ったことがある」という方は、実は注意が必要です。捻挫によって足首の靭帯がゆるむと、足首全体が不安定になります。すると、その不安定さを補おうとして腓骨筋が必要以上に頑張り続けるようになり、腱への負担が慢性的にかかり続けることになります。
捻挫は「治った」と思っていても、足首の安定性が完全に回復していないまま放置されているケースがとても多いのです。「昔の捻挫くらいで…」と軽く考えていたら、実はそれが今の痛みの根本原因だったというパターンは、当院でも非常に多く経験しています。
扁平足(へんぺいそく)や、逆にアーチが高すぎるハイアーチの方も、腓骨筋腱に負担がかかりやすい傾向があります。足のアーチが崩れると、歩くときに足が外側に倒れる「過回外(かかいがい)」という動きが起きやすくなり、腱に繰り返し引き伸ばされるようなストレスがかかります。
生まれつき足のかたちに特徴がある方もいますが、日常の歩き方の癖や、長期間にわたる同じ靴の使用によってアーチの状態が変化することもあります。
「靴くらい関係ないんじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、実は靴は非常に重要な要素です。サイズが合っていない靴、クッションが劣化しているランニングシューズ、足首のサポートが弱いシューズは、腓骨筋腱への余計なストレスを生み出します。
長年使い続けているシューズのソールをチェックしてみてください。外側ばかりが減っていたら、それは足が外に倒れている証拠かもしれません。
腓骨筋そのものの筋力が弱かったり、周囲の筋肉との協調がうまくとれていなかったりすると、一部の腱に負荷が集中してしまいます。足首を安定させるべき複数の筋肉がチームとして機能していないと、腓骨筋腱だけに過剰な仕事がのしかかることになります。
腓骨筋腱の炎症は、スポーツをしている方だけに起きるわけではありません。次のような方に多く見られます。
「私はスポーツなんてしていないのに、なぜ?」と思われる方も、立ち仕事や通勤などの日常動作の積み重ねが原因になっていることは十分ありえます。「普通に歩いているだけなのに」と感じている方にも、しっかりとした原因があることがほとんどです。
足首が痛くなると、まず湿布を貼ったり、市販の痛み止めを使ったりする方が多いと思います。でも、なかなか改善しないと感じている方も多いのではないでしょうか。
湿布や痛み止めは炎症や痛みを一時的に和らげる効果はあります。ただ、腱に負担をかけている根本的な原因、たとえば足首の不安定性や、足のアーチの崩れ、筋力のバランスの乱れが解消されていなければ、痛みはまた繰り返します。
「痛みが引いたから大丈夫」と思って同じ生活や運動を続けていると、腱の炎症が慢性化し、変性が進んでいく可能性があります。そうなると、回復にかかる時間がどんどん長くなってしまいます。
腓骨筋腱の炎症が長引いている方のほとんどは、痛みの「出口」だけを見て、「入口」にある本当の原因に手をつけていない状態です。原因を正しくとらえることが、根本的な改善への近道です。
症状の程度によって異なりますが、軽度であれば適切な対処をすれば数週間で落ち着いてくることもあります。ただし、慢性化している場合や、原因が複合的に重なっている場合は数か月かかることもあります。早めに原因にアプローチするほど、回復までの期間は短くなります。
日常生活での痛みが十分に落ち着き、患部への負担が減った段階で、段階的に再開していくのが基本的な考え方です。「痛みがなくなった=完治」ではなく、腱の状態や足首の安定性を確認しながら慎重に進めることが大切です。
ごく軽い場合は、十分な休息をとることで落ち着いてくることもあります。ただし、多くの場合は原因となる身体の状態を整えないまま過ごしていると、再発を繰り返すことになります。「なんとなく治った気がする」を繰り返しているうちに、腱が慢性的にダメージを受け続けていることもありますので注意が必要です。
ここでひとつ、大切なことをお伝えしたいと思います。
当院に腓骨筋腱の痛みで来院される方の中には、足首自体に直接の問題がないケースも少なくありません。骨盤のゆがみや膝の使い方のくせ、歩き方のパターンなど、身体全体のバランスが足首への負荷につながっていることがあります。
「足が痛いから足だけを診る」という発想では、根本原因を見落としてしまうことがあります。当院では、関節・筋肉・神経・姿勢・歩行の5つの視点から身体全体を丁寧に検査することで、本当の原因を特定するよう努めています。「他の治療院では治らなかった」という方が、原因を見直すことで改善に向かうケースを数多く経験してきました。
専門的な治療と並行して、日常生活の中でも気をつけていただけることがあります。ただし、これらはあくまで補助的なものであり、症状が続く場合や強い痛みがある場合は、自己判断で進めず専門家に相談することを優先してください。
足首をしっかりサポートできる靴を選ぶことが基本です。長く使い続けているシューズは、外見がきれいでもソールのクッションが劣化していることがあります。靴底の減り方を定期的にチェックしてみましょう。
ふくらはぎや足首周りの筋肉が硬くなると、腓骨筋腱への負担が増えやすくなります。入浴後など、身体が温まった状態でゆっくりとストレッチを行うのが効果的です。ただし、痛みがある状態で無理にストレッチをするのは逆効果になることもあるので、痛みがないときに、心地よい範囲で行いましょう。
腓骨筋腱は急な負荷の増加に対して弱い部位でもあります。ランニングの距離を増やすときは少しずつ、身体が慣れるペースで進めることが大切です。「先週より距離が増えた」「久しぶりに長く歩いた」というタイミングで痛みが出やすいことを覚えておいてください。
腓骨筋腱の痛みで長く悩んでいた方が、根本原因を特定して適切に対処することで、このような変化を感じていただけています。
朝起きた一歩目の痛みがなくなって、毎朝がずいぶん楽になった
ランニング後にいつも感じていた外くるぶしの腫れがなくなってきた
足首が怖くて思い切り走れなかったのが、以前のように走れるようになった
立ち仕事が続いても、夕方になって足首がズキズキすることが減った
旅行や外出が苦手になっていたのが、また行けるようになった
「もうスポーツはできないのかな」と半ば諦めていた方が、根本的な原因を整えることで回復に向かうケースは珍しくありません。大事なのは「なぜ痛くなったのか」を正確に知ることです。
腓骨筋腱の炎症は、時間が経てば経つほど回復が難しくなる傾向があります。急性期のうちに適切な対処ができれば、慢性化を防ぐことができます。逆に、慢性化してしまうと腱の変性が進んでしまい、回復までの期間が大幅に延びることがあります。
「まだそれほど痛くないから、もう少し様子を見よう」という気持ちになるのはよくわかります。でも、様子を見ているあいだにも、腱にはダメージが少しずつ蓄積されています。「おかしいな」と感じたら、できるだけ早めに専門家に相談することをおすすめします。
外くるぶしの後ろから足の外側にかけての痛みには、さまざまな原因が複合的に絡み合っています。使いすぎだけが原因とは限らず、過去の捻挫・足のかたち・靴・姿勢・歩行バランスなど、一人ひとり違う背景があります。
だからこそ、原因をきちんと見極めることが何よりも重要なのです。「湿布を貼っても治らない」「病院に行ったけどよくならない」という方も、まだ諦めないでほしいのです。原因の特定ができていれば、身体はちゃんと応えてくれます。
30年以上にわたって多くの方の足首の痛みと向き合ってきた経験から、はっきりとお伝えできます。原因がわかれば、対処の道は必ずあります。足首の痛みでお悩みのことがあれば、ひとりで悩まず、いつでも気軽に相談に来てください。あなたのお悩みに、誠心誠意向き合います。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



