
院長:表川お気軽にご相談ください!

院長:表川お気軽にご相談ください!
こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院・守山本院院長の表川大樹です。
朝晩がぐっと冷え込んできましたね。この季節は、肘の痛みを訴える方が増えてくる時期でもあります。
今日は、最近ご相談の多いゴルフ肘についてお話しします。
こんなお悩みはありませんか?
先日も、50代の男性が「ゴルフもしないのに、肘の内側が痛いんです」と不安そうに来られました。
同じような疑問を持つ方は、実はとても多いんですよ。
この記事では、痛みの正体から仕組みまで、なるべく分かりやすくお伝えしますね。


肘の痛みは「名前を知るだけ」でも気持ちが軽くなる方が多いんです。まずは落ち着いて読み進めてくださいね
まずは、そもそもどんな状態を指す言葉なのかを整理していきましょう。名前の響きから「ゴルファーだけの怪我」と思われがちですが、実際はもう少し身近なものです。ここを知るだけでも、ご自身の痛みへの見方が変わってくると思います。
ゴルフ肘というのは通称で、正式には上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)といいます。
長い名前ですが、ほどいてみると意外とシンプルです。腕の骨の肘に近い部分で、内側にぽこっと出っ張っているところを「内側上顆(ないそくじょうか)」と呼びます。
手首を手のひら側に曲げたり、物をぎゅっと握ったりするときに働く筋肉は、前腕(ぜんわん)からこの出っ張りに向かって伸びていて、腱(けん)という丈夫なヒモ状の組織で骨にくっついています。この付着部(ふちゃくぶ)に負担がかかって傷んだ状態が、ゴルフ肘です。
ちなみに、ゴルフでダフって地面を叩いたときの衝撃で痛めやすいことから、この名前がついたと言われています。
結論からお伝えすると、ゴルフをしなくても起こります。
患者さんからも「私はゴルフなんてしないのに、どうして?」とよく聞かれます。気持ちはとてもよくわかります。
原因は競技の種類ではなく、手首を曲げたり物を握ったりする動きの積み重ねにあるからです。野球やテニスなどのスポーツはもちろん、パソコン作業、料理、重い荷物を運ぶ仕事、DIY、お子さんの抱っこなど、毎日の何気ない動作でも起こりえます。
つまり、ご自身を責める必要はまったくありません。それだけ手や腕を頑張って使ってこられた、ということなんです。
次に、どんな場面でどんなふうに痛むのかを見ていきます。痛みの出方には、この状態ならではの特徴があります。ご自身の症状と照らし合わせながら、読んでみてください。ただし、あくまで目安ですので、気になる点があれば専門家に確認してもらうと安心です。
いちばんの特徴は、肘の内側の出っ張りの周りが痛むことです。そこを指で押すと、ピンポイントでズキッとする方が多いですね。
動作では、物を握る、タオルを絞る、フライパンを持ち上げる、ドアノブを回す、手のひらを上に向けて手首を曲げる、といった場面で痛みが強まりやすくなります。
初めのうちは動かしはじめだけ痛くて、動いているうちに楽になることもあります。けれども、続けているうちに安静にしていてもじんわり痛むようになる方もいらっしゃいます。
また、利き手側の肘に出やすいのも傾向のひとつです。
よく似た名前に「テニス肘」があり、混同される方も多いです。見分けるいちばんのポイントは、痛む場所です。
| 比べるポイント | ゴルフ肘 | テニス肘 |
|---|---|---|
| 痛む場所 | 肘の内側(体に近いほう) | 肘の外側(体から遠いほう) |
| 痛みが出やすい動き | 握る、手首を手のひら側に曲げる | 手首を反らす、物をつまんで持ち上げる |
| 傷んでいる筋肉 | 手首を曲げる筋肉 | 手首を反らす筋肉 |
肘の内側には、尺骨神経(しゃっこつしんけい)という神経も通っています。内側が痛い原因が腱ではなく神経のこともあるため、見た目や感覚だけで決めつけないほうがいいんです。
ここからは、肘の内側で何が起きているのかを、できるだけイメージしやすい形でお話しします。少し専門的な内容も出てきますが、たとえ話を交えますので安心してくださいね。仕組みがわかると、痛みへの不安がぐっと小さくなる方が多いんです。
手首を曲げる筋肉(屈筋群:くっきんぐん)は、使うたびに肘の内側の骨を引っ張っています。
たとえるなら、壁に貼ったテープを何度も引っ張るような状態です。1回や2回では何ともなくても、繰り返し引っ張られると、端のほうからじわじわと剥がれてきますよね。
腱がくっついている部分でも、同じようなことが起こります。まず筋肉が疲れて、次に腱の付着部にごく小さな傷がつきます。休む間もなく使い続けると、傷が修復される前に次の負担がかかります。これが積み重なって、痛みが出てくるわけです。
特別な大けがではなく、「小さな負担の積み重ね」で起こるのが大きな特徴です。
名前に「炎」とついているため、炎症だけが原因だと思われがちです。ところが近年は、腱そのものが傷んで変性(へんせい)していく、腱症(けんしょう)という見方も重視されています。
腱の付着部は、もともと血の流れが乏しい場所です。そのため、一度傷むと自然に修復されるまで時間がかかりやすいのです。
「痛み止めを飲んだら一時的に楽になったけれど、また戻ってきた」という声をよく聞きます。これは、痛みが落ち着いても、腱のコンディションはまだ整っていないことがあるからです。
だからこそ、ゴルフ肘は「痛みが引いたから終わり」ではなく、肘に負担がかかる背景まで見ていくことが大切だと私は考えています。
もうひとつお伝えしたいのが、痛む場所と原因の場所は必ずしも同じではない、ということです。
たとえば、肩や背中が丸まって腕の使い方が偏っていたり、手首や指の動きが硬くなっていたりすると、そのしわ寄せが肘に集まることがあります。
パソコン作業が多い方なら、肩が前に入った姿勢のままキーボードを打ち続けることで、前腕の筋肉が休めなくなっている場合もあります。
こうした「からだ全体の使い方」が関わっているため、肘だけを見ても答えが出ないことがあるんです。肘の痛みは、からだ全体の使い方が教えてくれているサインとも言えますね。
「そのうち治るかな」と様子を見ている方は多いと思います。忙しい毎日の中では、無理もありません。ただ、続けて使う場面が多いほど、状態が長引きやすいのも事実です。ここでは、不安をあおらない範囲で、気をつけておきたいポイントをお伝えします。
痛みが肘の内側だけにとどまっているうちは、まだ比較的シンプルな状態です。
けれども、長引くと前腕や手首のほうまで痛みが広がることがあります。さらに、薬指や小指にしびれが出てきた場合は、肘の内側を通る神経が関わっている可能性も出てきます。
こうした変化があるときは、「そのうち」ではなく、早めに専門家へ相談してみてください。早く状況を把握できれば、それだけ選べる道も広がります。
夜に痛みで目が覚める、ふとした動作でも鋭く痛む、という場合も同じです。
では、すぐに相談しなくてもよいのは、どんなときでしょうか。
たとえば、特定の作業のあとだけ軽く違和感があり、数日で気にならなくなるような場合です。このときは、肘に負担がかかりそうな動きを少し控えて、様子をみる選択もありえます。
ただし「2週間以上たっても変わらない」「繰り返し同じ場所が痛む」というときは、一度ご自身のからだの状態を確認してみる良いタイミングです。
無理にがまんして、好きなことや仕事を諦める必要はありません。「これくらいで相談していいのかな」と迷う段階こそ、気軽にご相談いただきたいと思っています。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最後に、私がいちばんお伝えしたいことをまとめますね。痛みが続くと、気持ちまで沈んでしまうものです。だからこそ、あなたの気持ちに寄り添った形でお話しさせてください。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)は、ゴルフをする人だけの怪我ではありません。手首を曲げたり握ったりする動きの積み重ねで、肘の内側の腱の付着部が傷んで起こる、とても身近な状態です。
痛みが出たのは、あなたが毎日、手や腕を一生懸命使ってこられた証拠でもあります。どうかご自分を責めないでください。
そして、痛む場所だけでなく、そこに負担が集まってしまった背景まで見ていくことが、遠回りのようでいちばんの近道になると私は思っています。
「これはゴルフ肘なのかな」「病院に行くほどかな」と迷ったときは、ひとりで抱え込まずに、いつでも気軽にご相談くださいね。あなたが安心して、好きなことや毎日の暮らしを楽しめるようになることを、心から願っています。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



