
院長:表川お気軽にご相談ください!


こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。今日は「股関節が痛いのに、なんで腰まで痛くなるの?」というご相談をたくさんいただくテーマについてお話しします。
股関節に生じる痛みと腰の痛みは、じつは密接につながっていることが多く、どちらか一方だけを治療していても、なかなか改善しないケースが少なくありません。
先日、こんなことをおっしゃる患者さんが来院されました。「整形外科でレントゲンを撮ったけど異常なしって言われて。でも腰も股関節もずっと痛いんです。いったいどこが悪いんでしょう?」と。この言葉、みなさんのなかにも心当たりがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
股関節の痛みは、腰との関係を理解しないまま対処しても、症状がぐるぐると繰り返してしまうことがあります。この記事では、その理由をわかりやすくお伝えしながら、改善のためのヒントをお届けします。


腰と股関節が同時に痛むとき、「どっちが原因なんだろう」と迷ってしまうことはよくあります。でも実はこの2か所は骨盤を挟んで直接つながっているため、どちらか一方に問題が起きると、もう一方にも影響が出やすい構造になっています。長年の診療経験のなかで、この連動性を見落としてしまったことで改善が遅れているケースを数多く目の当たりにしてきました
腰と股関節が同時に痛むとき、多くの方は「別々の問題が重なってしまった」と考えがちです。でも実際には、骨盤という土台を共有しているこの2つの部位は、機能的にとても深く結びついています。どちらかの動きが悪くなると、もう一方がその分を補おうとして過剰に働いてしまうのです。
股関節は骨盤と大腿骨(太ももの骨)がつながる部分で、腰椎(腰の骨)は骨盤の上に乗っかるようにつながっています。つまり骨盤は、腰と股関節の「橋渡し役」をしているんですね。
たとえば、股関節の動きが悪くなると、歩くたびに骨盤が余計に動いて腰椎に負担をかけます。反対に、腰の動きが制限されると、股関節が過剰に動いて疲労や痛みを起こしてしまいます。このような「連動」によって、片方の問題がもう片方の痛みを引き起こすことがよくあるのです。
「股関節が悪いから腰が痛くなった」「腰が悪いから股関節に影響が出た」というように、どちらが先かは人によって異なります。大切なのは、どちらか一方だけを診るのではなく、両方の関係性をセットで評価することです。
痛みのある場所だけに注目した施術を続けていると、根っこの原因にアプローチできていないため、また同じ痛みが戻ってきてしまいます。
腰と股関節がともに痛む背景には、いくつかのパターンがあります。どれか一つだけが原因というよりも、複数の要因が重なり合っていることがほとんどです。
骨盤がかたよったり、ねじれた状態が続くと、その上の腰椎にも、両側の股関節にも均等でない力がかかりつづけます。長年の姿勢のくせや、足を組む習慣、片方の足に重心をかけて立つ習慣などが積み重なることで骨盤のバランスが崩れていきます。
骨盤のゆがみは、じわじわと進行するため「いつの間にか両方が痛くなっていた」という方に多いパターンです。
股関節のまわりには大小さまざまな筋肉があります。これらの筋肉は骨盤を安定させる役割も担っているため、筋肉が硬くなったり、逆に力が入りにくくなったりすると、骨盤・腰・股関節の全体的なバランスが乱れてしまいます。
特に腸腰筋(ちょうようきん)とよばれる筋肉は、腰椎から骨盤を通って大腿骨につながっており、腰痛と股関節痛の両方に深く関わっています。デスクワークや長時間の座り仕事でこの筋肉が硬くなっている方はとても多いです。
股関節の軟骨がすり減ってくる変形性股関節症では、股関節そのものの痛みに加えて、歩き方の変化から腰にも負担がかかりやすくなります。「痛い足をかばって歩いていたら、腰まで痛くなってきた」というお話はとてもよく聞きます。
変形性股関節症は40代〜60代の女性に多く見られますが、症状の重さには個人差があります。早い段階から適切にアプローチすることで、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
腰の骨と骨のあいだでクッションの役割をしている椎間板が傷んでくると、神経が刺激されてお尻や太ももの外側、ときには股関節あたりまで痛みやしびれが広がることがあります。このようなケースでは「股関節が痛い」と感じていても、実際の原因は腰にある、ということも起こりえます。
専門家による検査が必要なことは大前提ですが、ご自身で傾向をつかむためのヒントをお伝えします。あくまでも目安として参考にしてみてください。
腰が主な原因の場合は、前かがみになると症状が増す、座ったときに腰からお尻にかけてだるさや痛みがある、長時間座り続けるとつらくなるといった特徴が出やすいです。一方で股関節が主な原因の場合は、歩き始めの数歩がとくに痛い、足を開いたり内側に向けたりすると痛みが増す、靴下を履くときに足が上げにくい、足の付け根(鼠径部)が詰まるような感じがするといった特徴があります。
ただし、この2つが複合して起きているケースも非常に多いため、「どちらかだけ」と決めつけずに、両方の視点から診てもらうことが大切です。
症状が強いときは無理は禁物ですが、日常のなかでできることをいくつかご紹介します。専門家の指導のもとで取り組んでいただくと、より安全に進めることができます。
無意識のうちに「痛い方をかばう動き」を続けていると、骨盤やその周囲の筋肉に偏った負担がかかりつづけます。まず意識してほしいのは、両足に均等に体重をかけること。片方に寄りかかって立つ姿勢はなるべく減らしていきましょう。
歩くときは、なるべく歩幅を自然な大きさに保ち、つま先が正面〜やや外向きになるようにするだけで、股関節への負担が変わることがあります。
長時間のデスクワークや運転などで股関節を深く曲げた状態が続くと、腸腰筋(ちょうようきん)が硬くなりやすくなります。できれば1時間に一度、立ち上がって少し歩くだけでも変わってきます。
足を組む習慣がある方は、骨盤がゆがみやすい状態をつくってしまっているため、意識的に足を組まないようにすることも一つの取り組みになります。
お風呂上がりのからだが温まった状態で、股関節まわりの筋肉をゆっくりとほぐすことは、血流改善にも役立ちます。痛みが強いときは無理に伸ばさず、「気持ちいい」と感じる範囲で行うことが大切です。
痛みがあるなかで自己流で動かしつづけると、かえって状態が悪化することもありますので、まずは専門家に現状を診てもらうことをおすすめします。
次のような状態があてはまる場合は、できるだけ早めに専門家に相談してください。
痛みが強くなってきている、またはだんだん広がってきているという場合や、痛みで夜眠れないことがある、足にしびれや力の入りにくさがある、歩き方が変わってきた(足を引きずるなど)、安静にしていても痛みが続くという状態は、放置すると改善に時間がかかるだけでなく、身体全体への影響が広がってしまう可能性があります。
「まだ大丈夫かな」と思って様子を見つづけているうちに、改善に必要な期間が長くなってしまうことはとてもよくあることです。
できれば両方の関係を総合的に診ることができる専門家に相談するのが理想的です。整形外科では画像検査で構造的な問題の有無を確認することができます。一方、機能的な問題(筋肉のバランスや動きのくせなど)については、整骨院などの専門家が詳しく検査することも大切です。
レントゲンに映るのは骨の形です。筋肉の緊張、関節の動きのくせ、骨盤のゆがみなど「機能的な問題」は画像では映りません。「異常なし」と言われても痛みが続く場合は、構造ではなく機能に原因がある可能性が高いです。そこを丁寧に評価することが改善への第一歩になります。
一時的な筋肉の疲労による痛みは、休息で改善することがあります。ただし、骨盤のゆがみや股関節の機能低下が原因になっている場合は、自然に改善することは少なく、放置すると悪化していくケースが多いです。気になる症状があれば、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。
まずは整形外科でレントゲンや画像検査を受けて骨・関節の状態を確認することは大切です。そのうえで「異常なし」と言われた場合や、薬や安静だけでは改善しない場合は、整骨院などで筋肉・関節の機能や姿勢・歩行のバランスを評価してもらうことで、原因が見つかるケースがあります。
腰と股関節の痛みは、どちらか一方だけに注目しても、なかなか根本から改善しないことがほとんどです。骨盤を介してつながっているこの2つの部位は、セットで評価することで初めて本当の原因が見えてきます。
30年以上の施術経験のなかで、「いろんな病院や治療院を回ってきたけど、どこでも原因がわからなかった」という方が来院されることが何度もありました。そのたびに、原因を丁寧に探ることの大切さを実感しています。
からだの痛みは、我慢しつづけていると生活の質がじわじわと落ちていきます。好きなことができなくなる前に、ぜひ一度、専門家に相談してほしいのです。
ひとりで悩まず、いつでもお気軽にご相談ください。あなたのからだのことを、一緒に考えさせてください。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



