立ち上がろうとしたら突然腰が…⁈ ぎっくり腰になったときに気をつけてほしいこと、その対処法を解説!
「職場で椅子から立ち上がろうとしたら腰にズキッと痛みが走りそのまま動けなくなりました。」
「朝シャワーを浴びようと蛇口に手を伸ばした瞬間、腰にピキッと痛みが…」
ぎっくり腰は、何の前ぶれもなく急に起こったりします。
ぎっくり腰のことを、「魔女の一撃」と例えるほどで、痛みの衝撃を物語っています。
こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。
私も30代のときに、狭い場所でかがんで作業をしていて体を起こしたときに
この魔女の一撃を食らった経験があります。
一瞬動けなくなり、その場にへたり込んだのをよく覚えています。
今回のブログでは、「ぎっくり腰になったときに症状を悪化させないために気をつけてほしいこと」について解説します。
興味のある方は、お時間のある時に是非最後までお読みください。
ぎっくり腰はなぜなるの? その原因とは…
ぎっくり腰を起こした患者さんに話を聞くと
- 長時間椅子に座っていて立ち上がろうとしたとき
- 床に落ちたものを拾おうと手をのばしたとき
- くしゃみをしたとき
など、普段日常的に行っている動作がほとんどです。
さらに話を聞くと
- 仕事が忙しくて座っている時間が長くなっていた
- 家事や育児で睡眠不足が続いていた
- 人間関係のトラブルでストレスを感じていた
など、からだや心の疲れがあったことを教えてくださいました。
普段何気ない動作にもかかわらず腰が痛くなったり、痛くなかったりするのは
からだや心の疲れが関係しています。
コップの水がもう少しで溢れるというところまで疲れがたまっている状態のときに
普段なら何気ない椅子から立ち上がるという動作で腰に力が入ったときに
コップの水があふれだし、ぎっくり腰を起こしているのです。
ぎっくり腰になったら安静? それとも運動? その対処法を解説
ぎっくり腰に限らず急に痛めたケガに対しては、従来は安静にすることが推奨されてました。
しかし最近の研究では、「ベッドで安静にするグループ」と「できる限り普段通りの生活をおくるグループ」で比較すると
「できる限り普段通りの生活をおくるグループ」の方が早く回復することがわかってきました。
私が腰を痛めた患者さんにお話しするのは
激しい痛み、痛くて動けない場合
できるだけ楽な姿勢で安静にすることをすすめています。
仰向けで寝る場合は、膝の下にクッションや丸めた毛布を入れて、膝を曲げると腰の痛みが和らぐことがあります。
横向きで寝るときは抱き枕をしたり、膝と膝の間にタオルを挟むなどして腰がねじれないようにすると腰の痛みが和らぐことがあります。
痛みはあるが、動くことはできる場合
できる限り普段通りの生活をすごしてもらいます。ただし積極的に運動することは避けてください。
ウォーキングやランニングをする習慣のある人、ヨガやジムなどでトレーニングをする人などは、いったん控えるようにしてください。
ストレッチは痛みがなく、気持ちよく感じるなら行ってもいいです。決して無理をして行う必要はありません。
冷やすのか?、温めるのか?
ぎっくり腰になってすぐは温めない方が良いでしょう。
腰に湿布や痛み止め成分の入ったものを貼ると効果的です。
ぎっくり腰になって二日間は長湯を避けてシャワー程度で済ますようにしてください。
湯船に浸かると気持ちよく痛みが引いたように感じるかもしれませんが、
そのあと浴槽から出るのに一苦労し、症状が悪化したということをよく耳にしますので気をつけてください。
ぎっくり腰に役立つ日常生活の工夫
ぎっくり腰を経験すると、あの痛みはもう二度と味わいたくないと思いますよね。
でも「ぎっくり腰は癖になる」とよく言われます。
ですから、ぎっくり腰を起こさないためにも日常生活の中を少し工夫して、再発予防に役立てられる5つのことをご紹介します。
正しい座り方
デスクワークや長時間座るときに心がけたい正しい座り方を詳しく説明します。
1.椅子の深さに合わせて座る
椅子に深く座り、背もたれをしっかり使うことが大切です。お尻は椅子の奥までしっかりとつけ、背もたれに背中を預けます。
2.背中は自然なカーブを保つ
腰の部分には自然な曲線(腰椎のカーブ)が保たれるように、腰にクッションを挟むのも一つの方法です。これにより、腰の骨への負担が減ります。
3.足の位置
足は床にしっかりとつけ、膝は90度の角度で曲げることが理想的です。足が床に届かない場合は、足置きを使用することで脚と腰への負担を減らすことができます。
4.肩の位置
肩はリラックスさせ、肘は体の近くに自然に置きます。デスク作業をする際は、肘が机の上で自然に休まるように椅子を調整してください。
5.目線の高さ
モニターは目線の高さに合わせて設定します。画面のトップが目線のちょうどやや下に来るようにし、画面は正面に直接向けることで首への負担が減ります。
1時間に1回は体を動かそう
長時間のデスクワークが続くと腰や背中、肩などの筋肉が固くなってしまいます。
固くなった筋肉を急に伸ばしてしまうと、水分を失った粘土が伸びないように
筋肉も伸びずに痛めてしまいます。
最低1時間に1回は立ちあがって歩いたり、体を動かすことを取り入れてください。
座ったまま簡単にできる運動を下記のブログで紹介していますので参考にしてみてください。
適度な運動をとりいれよう
運動というとランニングやジムでのトレーニングを連想するかもしれません。
仕事や家事、育児をしているとなかなか運動する時間がとれませんよね。
そこでおすすめなのが、ながら運動です。
「歯磨きするときは、スクワットをしながらする」とか
「レンジでおかずを温めているときは、踵の上げ下げをする」
「洗濯物をたたむときは、開脚をしながらたたむ」など
普段日常で行っていることにプラスして運動を取り入れるようにしてみてください。
睡眠環境を整えよう
睡眠不足のままでは、疲れを取ることができず、ますます疲れが溜まってしまいます。
まずは睡眠時間の確保。
そして、質の良い睡眠です。寝る前に何もしないボーっとした時間を10分でも20分でもいいので作ってみてください。
眠る準備ができて質の良い睡眠がもたらされます。
ストレスを解消してリラックス
ストレスは、体の筋肉を緊張させてしまいます。
できるだけストレスを解消したいものですが、なかなか難しいですよね。
気分転換するために、体を動かしたり、ゆっくりお風呂に入ったり、瞑想するのもおすすめです。
心の疲れをとることは、体の緊張をとることにつながりますので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
もしこれらの対処法をおこなっても改善されない場合は、何か他にも原因があるかもしれません。
そんな時は、一人で悩まないでお気軽にご相談ください。
当院がお役に立てるかもしれません。
【監修 :柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】