座っていると右のお尻が痛くなる腰痛の解消法
仕事で長時間座っていると右のお尻から太ももにかけて痛くなります
通勤で車の運転をしていると右のお尻が痛くなります
このような悩みを抱えている50代の女性の患者さんが来られました。
詳しく聞いてみると、半年前から仕事で椅子に座っていると右のお尻あたりに違和感が出始め、体勢を変えたり立ったりすると違和感は無くなっていたそうです。
最初は気にならなかったので放っておいたそうですが、やがて違和感から痛みへと変わって座っているのも辛くなってきたそうです。
腰痛でお悩みの方には、同じように座っているのが辛いと思っておられる方も多いと思います。
今回のブログでは、座っているときの腰痛のメカニズムとその解消法についてまとめてみましたので、興味のある方は是非最後までお読みください。
なぜ座ると痛くなるのか? 腰痛のメカニズム
こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。
現在では長時間同じ姿勢で座り続けることは、日常珍しいことではありません。
デスクワーク中心の仕事であったり、通勤通学の移動であったり、最近ではスマホでSNSを見ているとあっという間に時間が過ぎていることなんて日常茶飯事です。
でもここで注意が必要です。
長時間同じ姿勢を取っていると筋肉が固まってしまいます。
筋肉は伸び縮みすることにより弾力性を保つことが出来るのですが、例えば子どもさんが遊んでいる紙粘土を想像してみてください。
毎日紙粘土を使って遊んでいると柔らかい状態のままですが、紙粘土に飽きてしばらく違う遊びをして放置したままにするとどうでしょう。
次に紙粘土を使うときには硬くて遊ぶことができなくなってしまいます。
水を足してしばらく捏ねないと柔らかくはなりません。
このことと同じで長時間同じ姿勢をしていると筋肉の弾力性は失われ硬くなってしまいます。
固くなった筋肉は、血流が悪くなり、筋肉へ運ばれる栄養や酸素などが不足してしまいます。
そしてとうとう痛みが発生してしまいます。
では痛みが片側に起こっている場合について説明していきます。
例えば、あなたが古い木製の椅子に座っているとします。
この椅子の一本の脚がわずかに短いため、座ると椅子は常に少しだけ傾きます。
最初はこの小さな傾きはあまり気にならないかもしれませんが、時間が経つにつれて、体は自然とこの不均衡を補正しようとします。
体が不自然な位置を保とうとすることで、背中や腰には不必要な緊張が生まれ、やがて痛みにつながります。
この椅子ように、日常生活での座り方が腰痛に影響しています。
座るときに体が一方に偏っていたり、一方の足を組んだり、椅子に斜めに座ったりすると、
椅子の短い脚のように、腰に不均衡な負担がかかってしまいます。
体の一部に長時間圧力や伸ばされたりすると、筋肉や背骨に過度のストレスがかかり、痛みの原因となってしまいます。
腰痛を防ぐ正しい座り方を意識する
正しい座り方は、腰痛の予防や既存の痛みの軽減に非常に重要です。以下に、デスクワークや長時間座る際に心がけたい正しい座り方を詳しく説明します。
1.椅子の深さに合わせて座る
椅子に深く座り、背もたれをしっかり使うことが大切です。お尻は椅子の奥までしっかりとつけ、背もたれに背中を預けます。
2.背中は自然なカーブを保つ
腰の部分には自然な曲線(腰椎のカーブ)が保たれるように、腰にクッションを挟むのも一つの方法です。これにより、腰椎への負担が減ります。
3.足の位置
足は床にしっかりとつけ、膝は90度の角度で曲げることが理想的です。足が床に届かない場合は、足置きを使用することで脚と腰への負担を減らすことができます。
4.肩の位置
肩はリラックスさせ、肘は体の近くに自然に置きます。デスク作業をする際は、肘が机の上で自然に休まるように椅子を調整してください。
5.目線の高さ
モニターは目線の高さに合わせて設定します。画面のトップが目線のちょうどやや下に来るようにし、画面は正面に直接向けることで首への負担が減ります。
6.頻繁に姿勢を変える
長時間同じ姿勢で座り続けることは避け、少なくとも1時間に一度は立ち上がり、軽くストレッチや歩行を行うことを心がけてください。これにより、体の緊張を和らげ、血流を良くすることができます。
これらの点を意識することで、長時間座っている間の腰への負担を軽減し、腰痛を防ぐことが可能になります。正しい座り方は、健康な背骨と姿勢を維持するための重要なステップです。
腰痛・お尻の痛みを解消する簡単エクササイズ
椅子に座ったままできる腰痛解消のエクササイズは、オフィスや自宅で簡単にできるため、日常生活に取り入れやすいです。ここではいくつかのエクササイズをご紹介します。
椅子ひねりストレッチ
椅子に座り、背筋を伸ばします。
椅子の背もたれを両手で掴み、体を椅子に向かってゆっくりとひねります。
この位置を5秒から10秒保持した後、ゆっくりと中央に戻します。
反対側も同様にひねります。
脇腹ストレッチ
椅子に座り背筋を伸ばして両手を上にあげます。
上げた手を組んで体を横に倒していきます。(脇腹が伸びる感覚があります)
この位置を5秒から10秒保持した後、ゆっくりと中央に戻します。
反対側も同様に倒します。
脚伸ばしストレッチ
椅子に座り、一方の足をまっすぐ前に伸ばします。
足のつま先を自分の方に引き、この伸びを5秒から10秒保持します。
伸びた感覚を感じにくい場合は、手でつま先を持って自分の方に引いてください。
足を元の位置に戻し、もう一方の足も同様に行います。
膝抱えストレッチ
椅子に深く座り、背筋を伸ばします。
一方の膝を胸に向かってゆっくり引き上げ、両手でその膝を抱えます。
この姿勢を10秒から20秒キープし、ゆっくり元の位置に戻します。
同じことをもう一方の膝でも繰り返します。
お尻のストレッチ
椅子に座り、背筋を伸ばします。
一方の足を他方の膝の上に乗せます。
背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上体を前に倒していきます。このとき、組んだ足のお尻の筋肉にストレッチがかかります。
このポジションを15秒から30秒間保持してから、ゆっくりと戻します。
反対の足も同様に行います。
これらのエクササイズは、腰やお尻、脚の緊張を和らげ、柔軟性を高めるのに役立ちます。
毎日の習慣に取り入れることで、腰痛の予防と改善につながります。
日常の座り方やストレッチを見直し、快適な生活を取り戻しましょう。
もしこれらの運動をしても腰痛やお尻の痛みが改善されない場合は、何か他にも原因があるかもしれません。
そんな時は、一人で悩まないでお気軽にご相談ください。
当院がお役に立てるかもしれません。
【監修 :柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】