
院長:表川お気軽にご相談ください!
こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。最近、こんなお悩みを患者さんからお聞きしました。
「夜中に手のじんじんとしたしびれで何度も目が覚めてしまって、もう何週間もまともに眠れていないんです」
「赤ちゃんを抱っこしているときや授乳のあとに、手がぴりぴりして力が入りにくくなってきました。育児中なのに手が使えなくなるのが怖くて…」
このような声は、特に産後から育児まっ最中のお母さんや、手をよく使うお仕事をされている方から多くいただきます。夜中に目が覚めるほどのしびれは、ただの疲れや寝相の問題だと思って後回しにされがちです。でも、そのままにしておくと症状がどんどん強くなってしまうことも少なくないんです。
この記事では、手根管症候群が引き起こす夜間のしびれや育児中の手のぴりぴり感について、なぜそうなるのか、どう対処すればいいのかを丁寧にお伝えしていきます。ぜひ最後まで読んでみてください。


夜中に手がしびれて目が覚めるのは、体からの大切なサインです。産後や育児中に多いこの症状は、適切に対処することで改善できるケースがたくさんあります。一人で抱え込まず、まず原因を知ることからはじめてみましょう
夜間のしびれがなぜ起きるのか、まずその仕組みをしっかり理解しておくことがとても大切です。昼間は気にならないのに、夜になると急に手がじんじんしてくる。「なんで夜だけ?」と不思議に思われる方も多いのですが、これにはちゃんとした理由があります。原因を知ることで、今夜からできる対策も見えてきますので、ぜひ読み進めてみてください。
日中、わたしたちは立ったり座ったりして体を起こしています。このとき、体の水分は重力の影響で下半身に集まりやすい状態になっています。ところが横になって眠ると、この重力の影響がなくなります。
その結果、日中は下半身にあった水分が全身に再分配され、手首のあたりにも水分がたまりやすくなるのです。手首には「手根管」と呼ばれる細いトンネルがあり、そこを正中神経という大切な神経が通っています。水分がたまってこのトンネルの中の圧力が高まると、神経が圧迫されてしびれが出てきます。
もうひとつ大きな理由が、眠っているときの手首の姿勢です。わたしたちは寝ているとき、無意識に手首をまげた状態にしていることが多いです。手首が折れ曲がった状態だと、手根管の中が狭くなって神経への圧迫が強まります。
この「水分のたまりやすさ」と「手首が曲がりやすい寝姿勢」が重なることで、夜間にしびれが強くなるわけです。夜だけしびれるのは偶然ではなく、体の仕組みとして起こっていることなのです。
赤ちゃんの抱っこや授乳、おむつ替えなど、育児は想像以上に手首に負担をかける動作の連続です。「産後から急に手のしびれが出るようになった」という方はとても多く、これには育児特有のいくつかの要因が重なっています。ここでは、育児中のお母さんに特にしびれが起きやすい理由をわかりやすく解説します。
妊娠中から産後にかけて、女性の体はホルモンバランスが大きく変わります。特に産後はエストロゲンというホルモンが急激に減少し、体内の水分バランスが乱れやすくなります。これによってむくみが起きやすくなり、手首の手根管内に圧力がかかりやすい状態になるのです。
また、授乳中のホルモン環境も手首のじん帯や腱を柔らかくする作用があり、これが手根管周辺の構造を不安定にさせることがあります。つまり産後のしびれは、育児の疲れだけが原因ではなく、体の内側からの変化も深く関係しているのです。
赤ちゃんを抱っこするとき、多くのお母さんは手首を内側に曲げながら赤ちゃんの体を支えています。授乳のときも、赤ちゃんの頭を手のひらで支える姿勢が長時間続きます。
こうした姿勢が1日に何度も繰り返されると、手首の腱や腱鞘(腱を包む鞘)に慢性的な負担がかかります。腱鞘が炎症を起こして腫れると、手根管の中がさらに狭くなってしびれが強まっていきます。夜間授乳で睡眠中も手首を使う状態が続けば、症状が悪化しやすいのは当然のことなのです。
育児中は慢性的な寝不足になりやすいですよね。体が十分に休めない状態が続くと、神経や組織の回復が追いつかなくなります。昼間の疲労がしっかり抜けないまま翌日も抱っこをして…という悪循環がしびれを長引かせる一因になることもあります。
手のしびれには様々な種類がありますが、特に次のような状態が見られる場合は、早めに対処することをおすすめします。症状が軽いうちに適切な対応をとることで、回復にかかる時間が短くなることが多いからです。
夜中に何度もしびれで目が覚める、あるいは朝起きたときに親指から薬指にかけてじんじんとした感覚がある、という方は要注意です。また授乳中や抱っこのときだけでなく、日常的に手がぴりぴりする、物をつかもうとすると力が入りにくい、小さなボタンがはずしにくくなった、といった変化があらわれていたら、症状が進んでいるサインかもしれません。
「育児中だから仕方ない」「産後は体がくたびれているから」と我慢されている方がとても多いのですが、しびれは体からの大切なメッセージです。放置すると親指の付け根の筋肉が萎縮して、物をつかむ力が弱くなってしまうことがあります。早めに原因を確認することが、長い目で見ればとても重要なのです。
しびれの根本的な原因にアプローチするには専門家のサポートが必要ですが、日常生活の中で症状を悪化させないための工夫はあります。今夜からすぐに試せることをいくつかご紹介しますね。
就寝中に手首が強く折れ曲がった状態になると、手根管の圧力が高まってしびれが出やすくなります。手首が自然なまっすぐの状態を保てるよう、タオルや薄い枕で手首を軽くサポートして寝てみてください。また、腕全体を心臓よりも少し高い位置に置くと、水分がたまりにくくなる場合があります。
抱っこのときはできるだけ手首だけで支えるのではなく、腕全体や体全体で赤ちゃんの体重を受け止めるようにしましょう。授乳クッションを活用して手首にかかる角度を緩やかにするのも効果的です。授乳後に手首をゆっくりと回したり、手首の内側をやさしくほぐしたりするだけでも、蓄積した緊張がいくらか和らぐことがあります。
冷えによって血行が悪くなると、神経の回復が遅れてしびれが長引きやすくなります。手首を温めることで血行が改善され、症状が楽になることがあります。お風呂でゆっくり体を温めるのも、心身の疲れをほぐすためにとてもいい方法です。
ここまで読んでくださって、「でも自分の場合はどうなんだろう」と思われた方もいるのではないでしょうか。実は手根管症候群は、同じ症状に見えても原因が人によってかなり異なります。ホルモンの影響が大きい方、手首の使いすぎが主な原因の方、姿勢や体のゆがみが影響している方…様々なパターンがあります。
原因がはっきりしないまま対処をしても、症状がいったん落ち着いてもまたぶり返してしまうことが多いのはそのためです。市販のサポーターや湿布で一時的に楽になっても、根本の問題が残っていればまた同じことが繰り返されてしまいます。
わたし自身、これまで多くの方の手根管症候群と向き合ってきて強く実感していることがあります。それは、しっかりとした検査で原因を特定することが、回復への一番の近道だということです。症状があらわれている手首だけでなく、体全体の状態を丁寧に確認することで、見えてくるものがあります。
患者さんからよくいただく疑問にお答えします。「自分にも当てはまるかも」と感じるものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
軽度であれば、育児が落ち着いてホルモンバランスが安定してくるにつれて改善するケースもあります。ただし、神経への圧迫が強い状態が長く続いてしまうと、自然に回復するのが難しくなってきます。「産後だから仕方ない」と長期間放置するよりも、早めに確認しておくほうが安心です。
手首の角度を固定することで手根管内の圧力が下がり、夜間のしびれが軽減されることがあります。市販のリストサポーターを就寝時に試してみるのも一つの方法です。ただし、これはあくまでも症状を和らげるための手段であり、根本的な原因に対処するものではありません。症状が続くようであれば専門家への相談が必要です。
多くの場合、手術をしなくても改善が見込めます。手術が検討されるのは、保存的なアプローチで十分な改善が得られない場合や、症状がかなり進行している場合などです。早期に適切な対応をとれば、手術に至らずに回復できるケースのほうがずっと多いのです。
授乳中の方でも受けていただける施術はあります。初回の問診でお体の状態や授乳状況などをくわしくお聞きしたうえで、お一人おひとりに合った対応をご提案しています。遠慮なくご相談ください。
育児中に自分のことを後回しにしてしまうお母さんはとても多いです。でも、手のしびれが続いていると、抱っこのときに力が入らなくて怖い思いをしたり、夜中のしびれで眠れなくて日中のお世話がつらくなったり、育児そのものに支障が出てきてしまいます。
しびれは我慢すれば消えるものではなく、きちんと原因を確認して対処することが大切です。「大したことないかな」と思って何ヶ月も経ってしまった、という方も遠慮なく来てください。わたしは30年以上この仕事をしてきて、どんな状態の方でも丁寧に向き合うことを何より大切にしています。
問診から検査、施術まですべてわたしが一貫して担当しますので、毎回担当者が変わって話をゼロから繰り返す、ということもありません。あなたの体の変化を継続的に見守りながら、改善するまでしっかりサポートします。
夜中に手がしびれて眠れない夜が続いているなら、どうかひとりで悩まないでください。いつでも気軽にご相談いただけると嬉しいです。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



