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【シンスプリント】走ると痛い脛の痛み⁉ その原因と対処法を徹底解説!
こんなお悩みはありませんか?
- 走り始めるとすぐに脛(すね)の内側が痛くなる
- 運動後、脛の内側を押すと強い痛みがある
- 痛みのせいで思ったように練習ができずに焦っている

こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。
入学から2ヶ月経ったこの時期、部活動の練習量が増えてきて脛(すね)の内側に痛みを抱えている学生たちが多く来院されます。脛の内側の痛みは「シンスプリント」と言われ、Kさん(16歳女性)もこの脛の痛み(シンスプリント)に悩まされていた患者さんでした。
Kさんに詳しくお話をお聞きすると、冬場の寒い時期に硬いアスファルトの上で練習することが多く、その頃から練習が終わると脛の内側に痛みがありました。休むと痛みは無くなり、練習をするとまた痛みが出るという繰り返しだったのが、練習量が増えてから走っているときも痛くなってきましたと教えてくれました。
Kさんのようにシンスプリントで悩んでいる方は意外と多いものです。特にランニングやジャンプなどのスポーツをされている学生の方は、練習を休まないとならない場合もあります。大会を控えた時期に起こると練習が満足に行えない焦りや不安がつのります。
でも安心してください。Kさんは、シンスプリントの原因を知り、適切なケアを行ったことで、痛みはなくなり2ヶ月後の記録会では、自己ベストを更新するまでに回復されました。
今回のブログでは、シンスプリントの原因と対処法をKさんの改善例をもとに解説します。シンスプリントでお悩みの方や興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
走ると痛いシンスプリントの原因とは?
シンスプリントとは、脛の骨の内側に沿って痛みが出る症状のことで、正式には「脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)」と呼ばれます。
走ったり跳んだりする動作を繰り返すことで、すねの骨を覆っている「骨膜」という薄い膜に炎症が起こってしまうのです。例えば、ボクシングで何度も同じ場所を叩かれていたら、徐々に赤くなり、腫れて痛みに耐えかねてしまうのと似ています。

Kさんは、100Mやハードルを専門種目としていたので、何度も走ったり跳んだりする動作を繰り返していたので、シンスプリントを起こしやすい環境にいたと言えるでしょう。
他にもシンスプリントを起こす原因として、硬い路面の上を走ったり、シューズが合っていなかったり、扁平足や踵が内側に倒れる回内足など様々な要因が考えられます。
シンスプリントの主な症状としては、脛の内側の痛み、運動開始時の痛み、運動後の痛みの悪化があります。そしてひどくなると運動時だけでなく、歩行時にも痛みが出現するようになります。Kさんも来院時には、歩くときも脛の痛みを訴えられておられました。
そして、Kさんのお体を検査すると、体全体にさまざまな問題が見つかりました。
体のゆがみがあり、お辞儀をすると体が右に倒れる状態で、常に右足で体重を支えていました。また、太もも裏の筋肉とふくらはぎが常に張っており、左股関節の硬さと右足底の痛み、さらに腰痛も抱えていました。
体の歪みがシンスプリントを引き起こすメカニズム
体の歪みとシンスプリントの関係を、家の土台で例えてみましょう。
家を建てるとき、土台が傾いていると、柱や壁に余計な負担がかかりますよね。人間の体も同じで、骨盤や背骨がゆがむと、足にかかる負担が偏ってしまいます。

Kさんの場合、体が右に傾く歪みがあったため、右足により多くの負担がかかっていました。さらに左股関節の硬さが右足でバランスを取ろうとする動きを生み、足首の硬さがすねの筋肉を過度に働かせる結果となっていました。
この悪循環が、シンスプリントの原因となっていたのです。これらの問題は、まるで糸が絡まったボールのように、お互いに影響し合っており、単純に脛の痛みだけを施術するのではなく、体全体のバランスを整える必要があったのです。
走ると痛いシンスプリントを解消するエクササイズ
Kさんには、まず体のゆがみを整えることから始めました。これは、傾いた家の土台を水平に戻すようなものです。
そして、錆びついて動きの悪かった歯車を元通り動くように、硬くなった股関節と足首の動きを改善し、スムーズに動くように調整しました。また、整骨院での施術だけでなく、自宅でできるケア方法も指導しました。
- ふくらはぎストレッチ
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- 壁に手をつき右足を前、左足を後ろに開いて立ちます
- 踵をつけたまま左膝は伸ばして体を前に前傾させます
- ふくらはぎが伸びるのを感じたらそのまま15秒キープします
- 次に後ろの左膝を曲げて、体を沈めていきます
- 左のふくらはぎ下あたりが伸びる感じがあったら、そこで15秒キープします
- 前後の足を入れ替えて交互に3回ずつ行います
- 足裏マッサージ
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- 椅子もしくは床に座って片足をゴルフボールや硬めのボールの上に乗せます
- 膝の上に手を乗せて軽く圧をかけながらボールの上を転がします
- 30秒ほど転がしたら場所を移動して再度転がします
- 3か所行えば、左右の足を入れ替えて同じことを3回繰り返します
- 腸腰筋ストレッチ
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- 椅子に横向きで座り、お尻の半分だけ座面にのせます
- 外側の足を後ろに引いて足はつま先をたてます
- 膝を後ろに引くようにして股関節の前側を伸ばしていきます
- 体が前かがみになったり、反ったりしないように気をつけてください
- 20秒くらいこの姿勢を保ちます
- この動作を左右交互に3回ずつ繰り返します
ふくらはぎのストレッチで筋肉の緊張を和らげ、足裏のマッサージで血流を改善し痛みを軽減。さらに股関節周りのストレッチで可動域を維持・向上させることで、体全体のバランスを保てるようにしました。
施術と並行して2週間後、痛みは残っているものの、軽いジョギングができるようになり、1ヶ月後には、なんと全力で走れるまでに回復しました。そして施術開始から2ヶ月後の記録会で、見事に自己ベストを更新したのです。
これは、単に痛みが取れただけでなく、体全体のバランスが改善されたことで、より効率的な走りができるようになったからだと思います。そして、現在も定期的にメンテナンスを受けながら、陸上競技を続けておられます。
日常生活でできるシンスプリント予防法
シンスプリントを予防するためには、運動前後のケアがとても大切です。ウォーミングアップでは急に激しい運動をするのではなく、徐々に体を温めること、クールダウンでは運動後に急に止まらず、徐々に運動強度を下げていきます。
特にふくらはぎと股関節周りのストレッチを重点的に行うことで、筋肉の柔軟性を保つことができます。練習環境の見直しも大切で、足に合ったクッション性の良いシューズを使用し、硬いコンクリートでの練習を避けることをおすすめします。
そして、日々の疲労を翌日に持ち越さないような工夫も大切です。
湯船に浸かって全身の血行を促し、バランスの取れた食事で骨や筋肉の回復に必要な栄養素を摂取し、充分な睡眠をとることで体が回復していきます。
日々のケアを行い、痛みのないスポーツ活動を楽しみましょうね。
まとめ
脛の痛みは、多くの場合、脛そのものの問題ではなく、体全体のバランスが崩れたことにより起こります。
今回ご紹介したケースでは、体の歪みが発端となり、最終的に脛の痛みとして現れました。しかし、根本的な原因にアプローチすることで症状は改善し、見事自己ベストも更新するまでに回復できました。
もし同じような症状でお悩みの方がいらっしゃいましたら、痛みのある部分だけでなく、体全体のバランスを見直してみてください。そして、体からの小さなサインを見逃さず、早めの対処を心がけるようにしてください。
症状がなかなか改善しない場合は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。きっとお役に立てると思います。
痛みのない快適な毎日を取り戻すために、一歩ずつ改善に向けて取り組んでいきましょう。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】
