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走ると膝下が痛い…湿布で治らない本当の理由

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ランニングのあとに膝のお皿の下がズキズキしていませんか。

院長:表川

走ったあとに膝のお皿のすぐ下が痛む、という方がここ数年でとても増えています。「湿布を貼れば治るだろう」と様子を見ているうちに、いつの間にか慢性化してしまうケースも多いです。今回は、その痛みがなぜ起きるのか、どう対処すればいいのかをできるだけわかりやすくお伝えします

こんなお悩みはありませんか。

  • ランニングのあとに膝のお皿の下がジンジンと痛み、翌朝になっても痛みが残っている
  • 階段を降りるときに膝の下あたりが鋭く痛んで、思わず手すりをつかんでしまう
  • 安静にしていると楽になるのに、また走り始めるとすぐに同じ痛みが戻ってくる

「大会まで時間がないのに、このまま走り続けていいのかな…」と不安を感じながらも練習をやめられない、そんな気持ちはよくわかります。でも、その痛みのサインをそのまま無視し続けるのは、少し危険かもしれません。

滋賀県守山市にある大樹整骨院で院長をしています、表川大樹(おもてがわひろき)です。柔道整復師(ほねつぎ・接骨院で施術できる国家資格)と鍼灸師の資格を持ち、30年以上にわたってたくさんのランナーや運動好きの方の膝の痛みと向き合ってきました。今回は、ランニングで膝のお皿の下が痛くなる理由と、今日からできる対処のポイントをお伝えします。

目次

膝のお皿の下が痛くなる仕組み

「なんで走ると膝の下が痛くなるんだろう」と疑問に思っている方も多いと思います。まずは体の中で何が起きているのかを、なるべくわかりやすく説明しますね。

膝のお皿(正式には「膝蓋骨(しつがいこつ)」といいます)の下には、お皿の骨とすねの骨をつなぐ太いひも状の組織があります。これを「膝蓋靭帯(しつがいじんたい)」といいます。靭帯とは、骨と骨をつなぐ丈夫な組織のことで、関節を安定させる役割を担っています。

走るたびに、この靭帯には「引っ張られる力」が繰り返しかかります。ランニングの着地では体重の3〜5倍ともいわれる衝撃が膝にかかるため、その衝撃を受け止めようとする太もも前面の筋肉が力を入れるたびに、膝蓋靭帯も強く引っ張られるのです。

これが毎日・何千回と繰り返されることで靭帯に小さな傷が蓄積し、そこに炎症(ほてり・腫れ・痛みなどが起きた状態)が生じます。これが「膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)」、別名「ジャンパー膝」と呼ばれる状態です。

ジャンパー膝ってどんな状態のこと?

「ジャンパー膝」という名前はバレーボールやバスケットボールなど、跳び上がる動作を繰り返すスポーツの選手に多く見られることからつけられました。ただ、ランニングでも同じ仕組みで起きることがとても多く、距離を走るランナーにとっても身近な悩みのひとつです。

症状としては、お皿のすぐ下を指で押すとズキッと痛みを感じることが特徴的です。走り始めは大丈夫でも長距離になると痛みが出てきたり、逆に走り始めだけ痛んで温まると楽になったり、という方もいます。

放置していると、徐々に階段の昇り降りや椅子からの立ち上がりでも痛みが出るようになります。さらに進むと靭帯そのものが弱くなってしまうため、しっかり治したいなら早めの対処がとても大切です。

「膝下の痛み」は靭帯炎だけじゃないかもしれない

膝のお皿より下の部分が痛む原因は、靭帯炎だけではありません。似たような場所に痛みが出る状態がいくつかあるため、自分の痛みがどれに近いか確認してみましょう。

痛みの場所を正確に把握することが、原因を特定してすばやく改善するための第一歩です

まず「シンスプリント」という状態があります。正式には「脛骨疲労性骨膜炎(けいこつひろうせいこつまくえん)」といい、すね(脛骨・けいこつ)の内側に沿ってズーンとした鈍い痛みが広がります。走り始めだけ痛くて温まると楽になるのに、長距離になると再び痛み出す、という特徴があり、走り始めたばかりの初心者の方や、急に練習量を増やした方に多く見られます。

次に「鵞足炎(がそくえん)」という状態があります。膝のお皿の下よりも少し内側の、すねの上端付近に痛みが出ます。もも裏の筋肉(ハムストリングス)が硬くなっている方や、走るときに膝が内側に入りやすいフォームの方に起きやすいです。

また「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」は主に膝の外側が痛む状態ですが、炎症が強くなると膝下まで痛みが広がることがあります。「ランナー膝」という別名でも知られており、ランニング愛好家にはよく耳にする名前かもしれません。

こんな人に膝下の痛みが出やすい

長年多くの患者さんを診てきた中で、膝下に痛みを抱えてくる方にはいくつかの共通したパターンがあることに気づきました。もちろん全員に当てはまるわけではありませんが、思い当たることがないか確認してみてください。

練習量を急に増やした

大会に向けて意気込んで練習量を一気に増やした、という方はとても多いです。体がその負荷に慣れる前に繰り返しのストレスが加わると、靭帯や骨の外側を覆う組織(骨膜)に炎症が生じやすくなります。練習量の増加は「週10%以内を目安に」とよくいわれますが、実際にはこれを大きく超えてしまっている方が目立ちます

太ももの前側の筋肉が硬くなっている

太ももの前側にある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」という大きな筋肉が硬くなっていると、走るたびに膝蓋靭帯にかかる引っ張りの力が通常より強くなります。デスクワークが長い方は股関節が曲がった状態で何時間も過ごすため、この筋肉が硬くなりやすい傾向があります。

着地のフォームやひざの向きにクセがある

走るときに足が内側や外側に傾きやすいフォームのクセがあると、膝蓋靭帯に偏った力が繰り返し加わります。また、かかとから強く地面を踏む走り方は一歩ごとの衝撃が大きくなりやすく、膝への負担も増えます。

シューズのクッションが劣化している

ランニングシューズの底(ソール)は、外見上はきれいでも内部のクッション素材は思ったより早く劣化します。およそ500〜800kmが目安とされており、それ以上履き続けているシューズは地面からの衝撃を吸収する力が大きく落ちている可能性があります。

放置するとどうなるのか

「少し痛いけど走れるから大丈夫」という気持ち、すごくよくわかります。でも、その「少し痛い」を放置し続けるとどうなるか、知っておいてほしいことがあります。

最初は運動中だけの痛みでも、炎症が繰り返されることで痛みが慢性化し、安静にしていても痛む状態に変わっていくことがあります。さらに進行すると、靭帯の組織そのものが傷みやすくなり、日常の何気ない動作でも強い痛みが出るようになってしまいます。

加えて、膝を庇うような歩き方が続くと腰や反対側の膝にも余分な負担がかかり、次々と新しい痛みを引き起こすこともあります。膝だけの問題が体全体の問題へと広がっていくこの悪循環に、気づかないまま悪化させてしまう方が非常に多いのです

今日からできる対処のポイント

「今すぐ何かしたい」という方に向けて、自分でできる対処のポイントをお伝えします。ただし、これはあくまでも症状を悪化させないための応急的な対応です。根本的な改善には、専門家による原因の特定が必要になります。

氷や保冷剤で冷やす(アイシング)

運動後に膝下が熱っぽかったり腫れた感じがする場合は、冷やすことで炎症を抑える効果が期待できます。氷や保冷剤をタオルで包み、膝のお皿の下に10〜15分程度当ててください。直接素肌に当てると凍傷になる危険があるため、必ず布越しに行うことが大切です。

太ももの前側をゆっくり伸ばす

壁や椅子に手をついて片足で立ち、もう一方の足首を手で持ってかかとをお尻に引き寄せます。太ももの前側が伸びる感覚を感じながら20〜30秒キープしてください。反動をつけると逆効果になることがあるため、ゆっくりと静止した状態で行うのがポイントです。

走る距離を一時的に落とす

痛みが出ているときに「走り続ければ治る」という考えは、多くの場合うまくいきません。痛みがある時期は距離を半分以下に減らすか、水泳や自転車など膝への負担が少ない運動に切り替えることを検討してみてください。大会が近い方には辛い判断かもしれませんが、ここで無理をして悪化させると本番までに間に合わなくなるリスクが高まります。

痛みの場所でおおよその原因を確認してみる

膝のどこが痛むかによって、考えられる原因が変わります。下の表を参考に、自分の症状と照らし合わせてみてください。

痛みの場所考えられる主な状態特徴的な症状
お皿のすぐ下膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)押すと痛い、階段やジャンプで悪化する
すね内側の広い範囲シンスプリント走り始めに痛く、長距離になると再び悪化
膝の内側やや下鵞足炎(がそくえん)膝の曲げ伸ばしで内側がズキズキ痛む
膝の外側腸脛靭帯炎(ランナー膝)外側がズキズキ、下り坂や走行後半に悪化

「治った」と思ったらまた再発する理由

安静にして湿布を貼っていると一時的に楽になる、でも走り始めたらまた同じ痛みが戻ってきた、という経験をされた方も多いのではないでしょうか。

これは、炎症という「結果」だけを抑えても、痛みを引き起こした「原因」が解消されていないからです。たとえば太もも前側の筋肉の硬さ、走るときのフォームのクセ、足の裏のアーチの崩れ、体全体の重心のバランスなど、原因は人によってまったく異なります。

「なんとなく良くなった気がするから大丈夫」ではなく、なぜ痛みが出たのかという根っこの部分にしっかり向き合うことが、再発しない体をつくるための大切な一歩です。

どんなときに専門家に相談すべきか

「どのくらいひどくなったら診てもらうべきか」、迷う方はとても多いと思います。次のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早めに専門家に相談することをおすすめします。

  • 安静にしていても膝の下に痛みや熱感が続いている
  • 湿布や市販の痛み止めを使ってもなかなか良くならない
  • 階段の昇り降りや立ち座りなど、日常の動作でも痛みを感じるようになってきた
  • 走るのをやめて1〜2週間以上経っても痛みが引かない
  • 膝の下が腫れている、または走るたびに痛みが強くなっている感覚がある

特に「もう1ヶ月以上続いている」という方は、すでに痛みが慢性化(長引く状態)している可能性が高いため、自己対処だけで様子を見続けるのはあまりおすすめできません。

原因を特定することがなぜ一番大切なのか

膝のお皿の下に痛みが出る原因は一つではありません。30年以上、膝の痛みを抱えた患者さんを診続けてきた経験からはっきりと言えることがあります。それは、症状が似ていても原因は人によってまったく違うということです。

たとえばAさんの場合は太もも前側の筋肉の硬さと着地フォームのクセが重なって靭帯に過剰な負担がかかっていた。でもBさんの場合は足の裏のアーチが崩れていたことで膝にねじれのような力が繰り返しかかっていた。見た目の症状は同じ「膝下の痛み」でも、原因はまったく異なります。

だからこそ、関節の動き・筋肉の硬さ・姿勢・歩き方など、体全体をしっかり検査して「あなたの膝下の痛みはなぜ起きているのか」を正確に把握することが、最も確実で早い改善への近道になるのです。

最後に──ひとりで抱え込まないでください

ランニングは健康のため、体力をつけるため、あるいは大会という目標に向かって頑張っているからこそ続けたい運動のはずです。その楽しさを、痛みのせいで諦めてほしくない、というのが私の本音です。

「ちょっと痛いだけだから」「休めばそのうち治るだろう」と思いながら、実は何ヶ月もずっと悩んでいる、という方がとても多いです。でも、早く対処するほど回復にかかる時間は短くなります。これは間違いありません。

膝のお皿の下の痛み、走るたびに出る違和感、階段でのジクジクした痛み、そんなお悩みをどうかひとりで抱え込まずに、いつでも気軽に相談しに来てください。あなたの体のことを一緒に考えながら、また思いきり走れる日を取り戻すために、精一杯サポートします。

【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】


院長:表川

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