
院長:表川お気軽にご相談ください!

院長:表川お気軽にご相談ください!


こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。
なんとなく体がだるい、眠りが浅い、動悸や不安感が続く。検査では「異常なし」と言われたのに、心も体もスッキリしないまま毎日を乗り切っている方も多いのではないでしょうか。そんなときに気になるのが、自律神経を整えるセルフケアです。
実は、自律神経は血圧や脈拍、体温や消化などを24時間コントロールしていますが、その中で呼吸だけは唯一、自分の意思で調整できる特別な働きです。この「自分で変えられる呼吸」とツボを上手に使うことで、自律神経のバランスを自宅でもケアしやすくなります。
この記事では、現場での経験を交えながら、自律神経の乱れに悩む方に向けて、ツボと呼吸を組み合わせた具体的な整え方をお伝えしていきます。もし今の不調が自律神経から来ているかも、と感じたら、一度自律神経失調症のページも合わせてチェックしてみてくださいね。


ツボや呼吸は、うまく使えると自分で自律神経を落ち着かせる強力な味方になります。薬に頼りきりになる前に、まずは今日からできる整え方を一緒に身につけていきましょう
ここではまず、自律神経が乱れたときに体の中で何が起きているのかを、できるだけわかりやすくお話しします。仕組みを知っておくと、なぜツボや呼吸が大事なのかも腑に落ちやすくなりますし、「気のせいではない」と安心して対策に取り組めるはずです。
自律神経は、交感神経と副交感神経という2つのブレーキとアクセルのような神経がバランスを取りながら、血圧、脈拍、呼吸、体温、胃腸の動きなどを自動的に調節しています。緊張すると心臓がドキドキしたり、眠くなると体温が少し下がったりするのは、この自律神経が瞬時に働いているからです。


ところが、ストレスや生活リズムの乱れが続くと交感神経ばかりが優位になり、常に体が戦闘モードのままになってしまいます。そうなると、夜になってもスイッチが切り替わらず、眠れない、頭が冴えてしまう、朝起きても疲れが抜けていない、といった状態に陥りやすくなります。
さらに、自律神経のバランスが崩れると、血管の収縮が続いて血流が悪くなり、肩こりや頭痛、手足の冷え、めまい、胃腸の不調など、全身さまざまな症状として出てきます。
検査で異常が見つからないのに辛いのは、この「機能の乱れ」が背景にあるからで、構造として壊れていなくても、うまく働けていない状態と言ってもいいでしょう。だからこそ、ただ症状を抑えるだけでなく、自律神経そのものが落ち着ける環境やきっかけを作ってあげることがとても大切になります。
次に、ツボと呼吸がどうして自律神経を整える助けになるのか、その考え方を簡単にまとめます。難しい理屈よりも、「こういうイメージなんだな」とざっくりつかんでもらえれば大丈夫です。


東洋医学では、全身を流れる気と血の流れが滞ると不調が起こると考え、その流れの要所にあたるポイントをツボとして捉えています。これらのツボは、現代医学的に見ると、筋肉や血管、神経が集まる場所と重なっていることが多く、ここを刺激することで血流や神経の働きが変化し、自律神経にも影響を与えると考えられています。
つまり、ツボ押しは体の外側から自律神経にアプローチするスイッチのような役割を果たしているわけです。
一方で、自律神経は本来、自分の意思では変えられない自動運転のシステムですが、その中で例外的に自分の意思で調整できるのが呼吸です。
血圧や脈拍、体温などは意識して直接変えることはできませんが、呼吸だけは早くしたりゆっくりにしたり、自分でペースを変えることができます。ここがとても大事なポイントで、意識的にゆっくり深い呼吸を行うと、副交感神経が優位になり、自律神経全体のバランスが整いやすくなります。
つまり、呼吸は自律神経というオートマ車に付いている、数少ない手動スイッチのようなものだとイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
ここからは、自宅でも押しやすく、自律神経のケアに役立ちやすい代表的なツボをいくつかご紹介します。どれも特別な道具は必要なく、手が届きやすい場所ばかりなので、まずは1つでもいいので試してみてください。
最初におすすめしたいのが、頭のてっぺんにある百会(ひゃくえ)というツボです。両耳のてっぺんを結んだ線と、眉間から後ろに向かって伸ばした線が交差するあたりにあり、まさに頭の中心に位置するポイントです。


ここは気や血が集まる要所とされ、精神的な緊張を和らげたり、頭の重さやぼんやり感を軽くしたりするのに向いています。軽く触れて少し痛気持ちいいところを見つけたら、頭の中心に向かって真下に押し込むように、ゆっくり10秒ほど押してみてください。寝る前や考え事で頭がパンパンになったときなどに行うと、スイッチが一段階落ちるような感覚を得られる方が多いです。
次に、手の甲にある合谷(ごうこく)というツボも、自律神経のセルフケアでは非常に使いやすいポイントです。親指と人さし指の骨が交わるところから、少し人さし指側にずらしたあたりのくぼみにあり、古くから「万能のツボ」と呼ばれてきました。


ここは頭痛や肩こりだけでなく、全身の緊張を和らげる役割もあり、仕事中にこっそり押せるところも便利なところです。反対側の親指で骨の間を挟むようにしながら、心地よい痛みを感じるくらいの強さで10秒ほど押し、少し休んでまた押す、というリズムで数回繰り返すと良いでしょう。
さらに、不安感や動悸、胸のつかえ感が気になる方に使っていただきたいのが、手首の内側にある内関(ないかん)というツボです。手首のしわから指3本分ほど肘側に上がった位置で、太い2本の腱のちょうど間あたりにあります。
ここをゆっくり押していると胸のあたりまでじんわり響く感じがあり、精神的な緊張を和らげたり、吐き気や乗り物酔いにも使われることがあります。寝る前にここを押しながら、あとでご紹介する呼吸法を合わせて行うと、より深くリラックスできる方が多いです。
また、ストレスが続いて心も体もクタクタ、というときに試してほしいのが、手のひらの真ん中あたりにある労宮(ろうきゅう)というツボです。握りこぶしを作ったときに、中指と薬指の先が当たる場所の少し下側で、精神的な疲労がたまりやすいポイントとされています。
パソコン作業やスマホで手を酷使していると、ここがカチカチに硬くなっている方も多く、親指でゆっくりもみほぐすように押していくと、心の緊張までほぐれていく感覚を得られることがあります。緊張する会議の前や、イライラして眠れない夜などにも試してみてください。
首や肩こり、めまい、ふわふわ感が強い方には、後頭部の髪の生え際にある天柱(てんちゅう)もおすすめです。首の後ろを触ると、左右に太い筋肉が走っているのがわかりますが、その外側のくぼみが目安になります。


ここは長時間のデスクワークでガチガチになりやすい場所で、固くなると首から頭への血流が悪くなり、自律神経の働きにも悪影響が出やすくなります。両手の親指を天柱に当て、残りの指で頭を包み込むように支えながら、ゆっくり押し上げるように10秒ほど圧をかけてみてください。首の後ろがじんわり温かくなってきたら、うまく血流が戻り始めているサインと考えて良いでしょう。
ツボ押しと同じくらい、あるいはそれ以上に大事なのが、先ほどお伝えした「呼吸」の整え方です。自律神経は血圧や脈拍、体温などを自動でコントロールしていますが、そのうち呼吸だけが唯一、自分でスピードや深さを変えられる働きです。この呼吸を意識的にゆっくり深く行うことで、心拍数や血圧が落ち着き、副交感神経が優位になりやすくなります。
ここでおすすめしたいのが、シンプルで続けやすい「4・4・8の呼吸法」です。
まず背もたれに軽くもたれるか、楽な姿勢で座り、肩の力を抜きます。それから、鼻から4秒かけてゆっくり息を吸い込みます。このとき、胸だけでなくお腹もふくらむように意識してみてください。次に、そのまま4秒間、息を止めてキープします。止めている間は、体の中に空気が満ちている感覚をじんわり感じてみます。そして最後に、口から8秒かけて、細く長く息を吐き出していきます。吐くときは、体の中のいらないものや緊張が、息と一緒にスーッと出ていくイメージを持ちながら行うと良いでしょう。
この「4秒吸う → 4秒止める → 8秒かけてゆっくり吐く」というサイクルを、目安として5〜6回ほど繰り返します。最初は少し長く感じるかもしれませんが、慣れてくると自然とできるようになってきます。
ポイントは、吸う時間より吐く時間を長くすることです。吐く時間を長くすることで、副交感神経がより働きやすくなり、心拍数や血圧が落ち着きやすくなります。寝つきが悪い方は、布団に入ってからこの呼吸を行いながら、先ほどの内関や労宮を軽く押してあげると、頭の中のざわつきが静まりやすくなります。
この呼吸法は、場所を選ばずできるのも大きなメリットです。朝起きたときに布団の中で行うと、1日のスタートがスムーズになり、通勤途中の電車の中や、仕事の合間のトイレ休憩のときに数回だけ行うのもおすすめです。
もちろん、寝る前に照明を少し落としてから、ゆっくり10分ほど取り組んでみるのも良いでしょう。続けていくと、ストレスを感じたときでも自然と呼吸が深くなり、自分で自律神経を整えやすい体質に変わっていきます。
ここまで読んでみて、「実際の生活の中では、いつどのように取り入れたらいいのかな」と感じた方もいると思います。そこで、いくつかのよくある場面ごとに、ツボと呼吸のおすすめの使い方をお伝えします。自分の生活に近いシチュエーションから、無理のない範囲で試してみてください。
朝、起きても体が重くて布団からなかなか出られないときは、いきなりスマホを見る前に、まず布団の中で4・4・8の呼吸を5回ほど行ってみてください。そのあとで百会を軽く押して頭をスッキリさせ、天柱をそっと刺激して首の後ろを温めるようにすると、交感神経がほどよく立ち上がりやすくなります。いきなりアクセル全開にするのではなく、じわっとエンジンを温めるようなイメージで朝のスイッチを入れてあげることが大切です。
日中、仕事や家事の合間にイライラやソワソワ、不安感が強くなってきたときには、手軽に押せる合谷や労宮が役立ちます。デスクに向かったままでも、片手で反対側のツボを押しながら、4秒で吸って、4秒止めて、8秒で吐く呼吸を3回だけでもいいので入れてみてください。これだけでも、脈拍が少し落ち着き、頭の中のざわつきが一段静かになる感覚を得られる方が多いです。忙しいときほど、あえて数十秒だけ呼吸とツボに意識を向ける時間を作ることで、その後の集中力も変わってきます。
夜、布団に入ってからスマホをいじり続けてしまい、気づくと寝る時間がどんどん遅くなっている方は、就寝前の儀式として「ツボと呼吸のセット」を決めておくのがおすすめです。例えば、まず天柱と首の周りを軽くほぐしてから、内関を左右ゆっくり押し、そのまま4・4・8の呼吸を5〜6回繰り返す、という流れを習慣にしてみてください。この流れを体が覚えてくると、「この一連の行動をしたら寝る時間だ」と脳が認識しやすくなり、眠りのスイッチが入りやすくなっていきます。
ここまで読むと、「ツボと呼吸で全部なんとかしなきゃ」と頑張りすぎてしまう方もいるかもしれませんが、ここで一つだけ大事なお話をさせてください。ツボや呼吸は、自律神経を整えるうえでとても心強い味方ですが、決して万能薬ではありません。
長く続く強い不調や、日常生活に支障が出るほどの症状がある場合には、セルフケアだけで抱え込まず、早めに専門家に相談することがとても大切です。


施術歴30年以上の視点から言えるのは、自律神経の不調は我慢していれば勝手に良くなるものではなく、早い段階で体に合ったアプローチを始めるほど、回復もスムーズになりやすいということです。
「なんとなく変だな」と感じている今のサインを見逃さず、ツボや呼吸というセルフケアと、専門的な施術をうまく組み合わせながら、自分の体と丁寧に向き合っていくことが、これからの人生を楽に過ごすための大きな一歩になります
ここまで、自律神経の働きとツボ、そして呼吸の整え方についてお話ししてきましたが、読みながら自分の生活を思い浮かべて、「これならできそうかな」と感じる部分はありましたか。深い呼吸と簡単なツボ押しは、特別な道具もお金もかからず、今日からでも始められる方法です。
それでも、実際には不安が強すぎてうまく続けられなかったり、体調の波が激しくて心が折れそうになったりすることもあると思います。
そんなときこそ、一人で抱え込まず、専門家の手を借りてほしいと心から思っています。自律神経の不調は、周りから理解されにくいことも多く、「気のせい」「性格のせい」と片付けられてしまいがちですが、決してあなたのせいではありません。
長年、自律神経の不調と向き合ってきた立場からも、体へのやさしいアプローチを続けていくことで、表情や生活が少しずつ変わっていく方をたくさん見てきました。もし今、同じような不安やつらさを抱えているなら、いつでも相談できる場所がここにある、と思っていただけたらうれしいです。
最後まで読んでくださったあなたが、今日お伝えしたツボと呼吸をきっかけに、自分の体と少し仲良くなれますように。そして、もっとしっかり整えたい、根本から良くしていきたいと思ったときには、どうか一人で悩まずにご相談くださいね。
【監修】柔道整復師・鍼灸師:表川大樹



