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自律神経失調症×ストレッチで薬に頼りすぎない体を目指す方法(後編)

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こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。

前回の前半記事では、自律神経の基本的な働きや、自律神経が乱れるとどうしてここまでしんどくなるのか、そしてストレッチがどのような仕組みで自律神経のサポートになりうるのかをお話ししました。

なんとなくイメージはつかめてきたけれど、「実際に自分の生活の中でどう取り入れたらいいのか」が気になっている方も多いと思います。

そこで今回は、より具体的な「ストレッチの取り入れ方」に焦点を当てていきます。「実際にどんな場面で、どのようなストレッチを意識すればいいのか」を一緒に見ていきましょう。

院長:表川

後編では、症状別のセルフケアと、セルフケアだけでは限界を感じたときに専門家を頼ってほしい理由について、できるだけ具体的にお伝えします

目次

つらい症状ごとに意識したいストレッチのポイント

ここからは、実際の症状ごとに、どのあたりを意識してストレッチを取り入れると良いかをお話しします。あくまで一般的な目安なので、体調がすぐれない日や、持病のある方は無理をせず、できそうなところから少しずつ試してみてくださいね。

朝起きられない・だるさが抜けないとき

朝がとにかくつらいときは、ベッドの上でできるごく小さな動きから始めるのがおすすめです。いきなりガバッと起き上がるのではなく、まずは仰向けのまま大きく背伸びをしたり、足首をゆっくり回したり、膝を胸に近づけて腰を軽く丸めるような動きをしてみてください。これだけでも少しずつ血流が良くなり、体温が上がってきます。

このとき、呼吸を止めず、息を吐きながら動かすことを意識すると、自律神経の切り替えがスムーズになりやすいです。「動けない自分」を責めるのではなく、「今日もよく頑張っている体を優しく起こしてあげよう」という気持ちで、ゆっくり続けていきましょう。

頭痛や肩こり、めまいが気になるとき

首や肩のこりが強く、頭痛やめまいまで出ているときは、首だけを無理にひねったり伸ばしたりするのは危険です。そのため、当院では首そのものより先に、肩甲骨や胸、背中全体の動きを少しずつ引き出していくことを大切にしています。土台である胴体を整えることで、首への負担を減らしていくイメージです。

具体的には、椅子に座ったまま肩を前から後ろへ、後ろから前へとゆっくり大きく回してみたり、胸を張ったり丸めたりする動きを数回ずつ行うだけでも構いません。

痛みや気分の悪さが強くなる場合は中止し、落ち着いている時間帯に、短時間から少しずつ取り入れてみてください。首回りの巡りが変わってくると、「頭が少し軽くなった気がする」とおっしゃる方も多くおられます。

動悸や不安感、息苦しさが出るとき

動悸や不安感が強いとき、多くの方が「胸のあたりがギューッと締め付けられるようだ」「うまく息が吸えない感じがする」と表現されます。こんなときに大きく胸を反らせるようなストレッチを無理に行うと、かえって緊張が強まってしまうこともあるので注意が必要です。

まずは、背中を少し丸めるような姿勢をとりながら、ゆっくり息を吐くことから始めてみてください。

両手をお腹に当てて、自分の手の温かさを感じながら「吸うより吐く時間を少し長めにする」ことを意識すると、副交感神経が働きやすくなります。そこに、背中やわき腹をやさしく伸ばすストレッチを組み合わせると、胸の圧迫感や「詰まった感じ」が少しずつ和らいでくることがあります。

眠りが浅い・寝つきが悪いとき

夜になっても頭が冴えてしまい、なかなか眠れないという悩みも、自律神経失調症ではとても多いです。この場合、寝る直前までスマホやパソコンを見てしまう習慣が、交感神経を刺激していることがよくあります。理想は、寝る30分〜1時間前には画面から離れ、照明も少し落として、体を「休む準備」に切り替えていくことです。

そのうえで、布団の上でできる簡単な足や腰まわりのストレッチを取り入れると、寝つきが少し良くなる方が多いです。

たとえば、片方ずつ膝を抱えて腰を軽く丸めてみたり、片足を反対側の膝に乗せてお尻の筋肉を伸ばすようなポーズなど、無理のない範囲で行ってみてください。同じ流れを毎晩続けることで、体が「このルーティンのあとに眠るんだ」と覚え、入眠しやすくなることが期待できます。

セルフケアだけで限界を感じたときに考えてほしいこと

ここまでお話ししたように、ストレッチは自律神経の乱れに対してとても良いセルフケアのひとつですが、それだけで長年のつらさがすべて解決するわけではありません。症状が強い方や、仕事や家事に支障が出るほどしんどい状態の方では、体の使い方や姿勢、関節や筋肉、神経全体のバランスなど、もう一段深いところに原因が隠れていることも少なくありません。

セルフケアを一生懸命続けても良くならないと感じたときは、「自分の努力が足りない」のではなく、「一人でできる範囲を超えているサイン」と考えてほしいです。

長く続くつらさの裏側には、姿勢や体のクセ、自律神経のはたらき方など、自分では気づきにくい原因が隠れていることも多く、そこは専門家だからこそ一緒に整理していける部分です。

無理に我慢を続けて限界を超えてしまう前に、「そろそろ専門家にも相談してみようかな」と思えたタイミングこそ、体と心にとってベストな一歩だと受け止めて、遠慮せず力を借りてください。

忙しい毎日でも続けられる自律神経ケアの考え方

「良さそうなのはわかるけど、自分に続けられるかな」と不安になる方もいるかもしれません。仕事、家事、育児などで毎日いっぱいの中で、新しいことをあれもこれも始めるのは現実的ではないですよね。

だからこそ、最初から完璧を目指す必要はまったくありません。できることを、一つずつ積み重ねていけば大丈夫です。

たとえば、「朝は布団の中で背伸びだけ必ずする」「昼休みに椅子に座ったまま肩回しを数回だけやる」「夜寝る前のスマホ時間を10分だけストレッチに置き換えてみる」など、小さな一歩で構いません。

こうした積み重ねでも、自律神経への負担はじわじわと変わっていきます。「今日もこれだけできた」と自分を認めてあげることも、自律神経にとっては大切な栄養になります。

ストレッチと合わせて、眠る時間や起きる時間をできるだけそろえる、ぬるめのお湯でゆっくり入浴する、寝る前のカフェインを控えるといった、生活リズムの調整も少しずつ意識できると、体の回復力はさらに高まりやすくなります。

特に、夜の入浴後の温まったタイミングで行うストレッチは筋肉が緩みやすく、自律神経の切り替えにもとても良い時間帯です。いちばん大切なのは「頑張りすぎない強さで続けること」と「つらいときは一人で抱え込まず、専門家の力を借りること」です

最後に

最後に、私が自律神経の不調で悩む方と向き合うときに大切にしている考え方をお伝えします。

急に始まった症状も、何年も続いているつらさも、その方のこれまでの頑張りや、生活環境、性格、体質など、いろいろな背景が重なって今に至っています。同じ「自律神経失調症」という言葉で呼ばれていても、原因の組み合わせや体の状態はお一人おひとり全く違うと日々の臨床で実感しています。

だからこそ、初回の問診や検査にはしっかり時間をかけ、これまでの経過や今の不安、日常生活の様子まで丁寧にお聞きしていきます。「なぜ今の状態になっているのか」「これから何をしていけばいいのか」を一緒に整理していくことで、少しずつ気持ちが軽くなっていく方も多いです。

自律神経の不調は、早めに適切なケアを始めることで、回復までの道のりを短くできる可能性が高い症状です。ここまで読んでくださったあなたは、きっと今のつらさをどうにかしたいけれど、一歩踏み出すのを迷っておられるのだと思います。

もし「自分だけでは限界かもしれない」と感じたときは、いつでも遠慮なく相談してください。あなたがまた自分らしく、笑顔で過ごせる毎日を取り戻せるように、30年以上の臨床経験と最新の治療技術を組み合わせて、全力でサポートさせていただきます。

一人で悩みを抱え込まず、「話だけでも聞いてほしい」という気持ちで大丈夫ですので、いつでもご相談くださいね。

【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】

参考文献

・Costa e Silva GC, et al. Acute effects of different static stretching exercises orders on cardiovascular and autonomic responses. Scientific Reports, 2019.

・Imagawa T, et al. The impact of stretching intensities on neural and autonomic responses, 2023.

・日本国内研究「ストレッチング施行による自律神経活動の変化」ほか、自律神経機能とストレッチに関する報告

・短時間ストレッチ体操が自律神経活動と認知機能に及ぼす影響を検討した研究(2022年報告)

・アクティブストレッチが気分と自律神経に与える影響を検討した研究(2024年報告)

・看護師などストレスの高い職種を対象とした、継続的ストレッチ介入による自律神経活動・自覚症状改善の報告


院長:表川

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