
院長:表川お気軽にご相談ください!


こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。今日は、起立性調節障害のお子さんを持つお母さん・お父さんにぜひ読んでいただきたい内容をお伝えします。
こんなお悩みありませんか。
起立性調節障害のおこさんをお持ちのご家族から、こういったお声をほんとうによくお聞きします。病院で「1日2リットル飲んでください」と言われて、がんばって実行しているのに、なぜか朝の症状が変わらない。そんなとき、もしかすると「飲む量」ではなく、「飲むタイミング」に見直しのポイントがあるかもしれません。


水分補給はただ量を増やすだけでは不十分で、飲むタイミングが自律神経への働きかけに大きく関係していると感じています。今日は、朝・日中・夜それぞれでどう補水するかを、臨床の現場で見えてきた視点からお伝えできれば
起立性調節障害(OD)は、自律神経のはたらきがうまく調整できなくなることで、からだのさまざまな不調があらわれる状態です。とくに「立ち上がるとき」に血液がからだの下のほうにたまりやすくなり、脳へ届く血液が一時的に不足することで、めまいや立ちくらみ、朝の強い倦怠感などの症状が出てきます。
この状態をやわらげるために、水分補給がなぜ大切かというと、血液の量そのものを増やすことができるからです。血液の約半分は「血漿(けっしょう)」と呼ばれる液体成分でできていて、からだの水分量がそのまま血液量に影響します。つまり、水分をしっかり摂ることで血液量が増え、脳への血流が保たれやすくなるという仕組みがあるのです。
ただし、ここで多くのかたが見落としているのが「いつ飲むか」というタイミングの問題です。水分はどのタイミングで摂るかによって、からだへの影響がかなり変わってきます。量だけにこだわって、タイミングを意識していないと、せっかくの努力が半減してしまうこともあるんです。
1日の水分補給を、朝・日中・夜の3つのフェーズに分けて考えると、実践しやすくなります。それぞれのフェーズには意味があって、目的も少しずつ違います。「量は飲んでいるのに変化がない」と感じているかたは、このフェーズを意識してみてください。
まず、朝のフェーズです。起立性調節障害のおこさんにとって、朝はもっともからだが「血液不足」な状態になりやすい時間帯です。寝ているあいだは水分の補給がないため、目覚めたときにはからだの水分量が低下しています。
起床直後にコップ1〜2杯の水を飲むことは、循環血漿量を早めに増やすという意味でとても効果的です。ただし、ここで大切なのが「飲み方」です。一気にたくさん飲もうとすると、胃腸に負担がかかることがあります。起き上がる前のまだ横になっている状態で、ゆっくりと少量から飲み始めるのが理想的です。
起き上がれないほどつらい状態のおこさんには、「まずベッドの上で飲める状態をつくる」ことから始めるだけでも、からだへの助けになります。お母さんがそっとベッドサイドに水を置いておくだけでも、できることは十分にあります。
次に、日中のフェーズです。起立性調節障害の症状は、午前中に強く出て、午後になると少し楽になることが多いとされています。これはからだが時間をかけて血流を整えていくからです。
この午前〜午後のあいだ、できれば1時間に1回程度を目安に、少量ずつ水分を摂ることが大切です。一度にまとめて飲むよりも、こまめに補給するほうが血液量を安定して保ちやすくなります。コップ半分くらいの量でも、こまめに続けることが積み重なって効果につながっていきます。
飲み物の種類も少し意識できると理想的です。水やカフェインを含まない麦茶などは、利尿作用が少ないぶん、からだに水分が残りやすいとされています。反対にコーヒーや緑茶などカフェインが多いものは、尿として出てしまいやすいため、日中の主な水分補給には向いていません。スポーツドリンクや経口補水液は電解質も一緒に補えるため、特に汗をかく季節や運動後などには活用できます。
そして夜のフェーズです。夜は「寝るまでに補給しておく」という意識が大切ですが、就寝の直前に大量に飲むのは逆効果になりやすいので注意が必要です。夜中にトイレで目が覚めてしまうと、睡眠の質が落ちてしまうからです。起立性調節障害では睡眠リズムの乱れも症状に関係することが多いため、睡眠の質を守ることもとても大切です。
目安として、就寝の2〜3時間前までには水分補給を終えるようにして、夕食後から寝るまでのあいだはできるだけ多量の水分摂取を控えるのがおすすめです。夕方の時間帯に、翌朝のぶんを少し多めに補っておくイメージで飲んでおくと、朝の状態が少し変わってくることがあります。
起立性調節障害の対策として、水分補給とあわせてよく聞かれるのが「塩分を一緒に摂ること」です。塩分(ナトリウム)はからだの中に水分を保つ役割を担っており、水だけを大量に摂っても塩分が不足していると、かえって体内の水分バランスが崩れてしまうことがあります。
医師から食塩の増量を勧められているかたは、食事の中でみそ汁を1杯増やしたり、梅干しを取り入れたりするだけでも、無理なく塩分を補うことができます。ただし、塩分の摂りすぎは血圧に影響することもあるため、自己判断で極端に増やすのではなく、主治医の指示に沿った範囲で実践するようにしてください。
スポーツドリンクや経口補水液には塩分と糖分が含まれており、水分を腸から吸収しやすくしてくれるはたらきがあります。毎食後や日中のこまめな補給のタイミングで少量取り入れるのは有効です。ただ、糖分も多く含まれているため、毎回大量に飲むよりも、水と組み合わせながらバランスよく活用するのが現実的です。
「わかってはいるけど、なかなか続かない」というのが、正直なところではないでしょうか。特に、起立性調節障害のおこさんは朝がとてもつらいため、水を飲むという行動自体が大きな負担に感じられることもあります。そのとき、無理に「飲みなさい」と声をかけるのではなく、環境をそっと整えてあげることが、長続きする工夫につながります。
たとえば、寝室の枕元に水のボトルを置いておくだけでも、起き上がる前に手が届く状態をつくれます。お気に入りのコップやボトルにするだけで、飲む気持ちになりやすいおこさんもいます。小さなことですが、こういった「飲もうと思える環境づくり」の積み重ねが、結果として習慣につながっていきます。
補水のタイミングを整理すると、以下のような流れが実践しやすいでしょう。
| 時間帯 | 補水のポイント |
|---|---|
| 起床直後(横になったまま) | コップ1〜2杯をゆっくり飲む |
| 午前中〜昼 | 1時間に1回、少量ずつこまめに補給 |
| 午後〜夕方 | 翌朝を意識してやや多めに補給 |
| 就寝2〜3時間前まで | まとめて補給しておき、就寝前は控える |
このスケジュールはあくまで目安です。おこさんの状態や体調によって、柔軟に調整してあげてください。
起立性調節障害は、一朝一夕に改善するものではありません。水分補給のタイミングを整えたからといって、翌日から劇的に変わるわけではないことも、正直にお伝えしたいと思います。それでも、からだへの正しい関わりを積み重ねることが、必ず回復への道につながっていきます。
親御さん自身も、毎日のサポートでへとへとになっていることと思います。「なんでもっと飲まないの」「どうして起きられないの」と、つい言いたくなる気持ちもよくわかります。でも、おこさんも自分でどうにもできないつらさと戦っています。完璧にこなそうとせず、できたことを一緒に喜ぶくらいの気持ちで、ゆっくり取り組んでいただければと思います。
水分補給と同様に、日常生活の中で気をつけてほしいことがいくつかあります。長時間の立位(立ちっぱなし)は症状を悪化させやすいため、立つ場面では足をクロスさせたり、足踏みするように軽く動かすことが血液の滞りを防ぐのに役立ちます。また、急に立ち上がらずに、ゆっくりと時間をかけて姿勢を変えることも大切です。
入浴についても、長時間の熱いお風呂は血管を広げて血圧を下げやすくなるため、ぬるめのお湯に短時間入るほうが無難です。生活の中の小さな工夫が、からだへの負担を少しずつ減らしていきます。
起立性調節障害のお子さんの症状改善には、水分補給の「量」だけでなく「タイミング」を意識することがとても重要です。起床直後・日中のこまめな補給・就寝前2〜3時間前までの終了という3つのフェーズを意識するだけで、からだの水分バランスが保たれやすくなります。
毎日のサポートに疲れを感じているお母さん、お父さん。どうかひとりで抱えこまないでください。「これで合ってるのかな」「もっとできることはないかな」と悩んでいることがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。30年以上の臨床経験の中で、たくさんの自律神経の不調を持つ患者さんと向き合ってきた立場から、一緒に考えさせていただきます。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



