
院長:表川お気軽にご相談ください!


こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。今日は、お子さんの起立性調節障害にお悩みの保護者の方へ向けて、毎日の食事と栄養状態がからだに与える影響についてお伝えしたいと思います。
こんなお悩みはありませんか?
こういったお悩みを抱えているお母さん、お父さんは本当にたくさんいらっしゃいます。私のもとにも「食事で何かできることはありますか」というご相談が後を絶ちません。


起立性調節障害のお子さんにとって、毎日の食事はとても大切なサポートのひとつです。「何を食べるか」だけでなく「いつ・どのように食べるか」まで含めた日常のあり方が、症状の波に大きく影響することを、30年以上の臨床経験を通して実感しています
起立性調節障害は、自律神経のバランスが乱れることで血圧の調節がうまくいかなくなる状態です。朝に症状が強く、午後になると楽になるという特徴がありますが、この症状の波には食事との関係がとても深く関わっています。
人のからだは、食事から摂った栄養素をもとに血液をつくり、神経の働きを支えています。栄養状態が乱れると、自律神経の機能を助けるための材料が不足してしまい、症状が出やすくなることがあります。「食事なんてそんなに関係あるの?」と感じる方もいるかもしれませんが、からだのはたらきを根底から支えているのは、毎日の食習慣なのです。
起立性調節障害のお子さんが朝ごはんを食べられない理由は、「食欲がない」という一言では片付けられません。朝は交感神経が十分に活性化されていないため、胃腸のはたらき自体が弱まっている状態なのです。
吐き気や胃のむかつきを感じやすいのも、このからだのメカニズムが背景にあります。ですから、「食べなさい」と声をかけても食べられないのは、お子さんの意志の問題ではありません。「食べたくても食べられない」という状態があることを、まず理解してあげることがとても大切です。
無理に食べさせようとすると、食事の時間そのものが苦痛になってしまうこともあります。からだが少しずつ動き始める午前の後半から昼にかけて、食べられるものを食べられる量だけ、という柔軟な考え方がお子さんの負担を軽くしてあげることにつながります。
では、日常の食習慣の中で意識していただきたい栄養素について、ひとつひとつ見ていきましょう。
起立性調節障害では血液の量が不足しやすく、立ち上がったときに脳へ血液がうまく届かなくなることが症状の根本にあります。そのため、こまめな水分補給は症状の安定にとって欠かせない習慣です。
1日に必要な水分量の目安は1.5リットルから2リットルといわれています。一度にたくさん飲むのではなく、時間をかけてちょこちょこ飲むことが大切です。また、水だけを大量に飲むと体内のナトリウム濃度が薄まってしまうため、塩分も一緒に意識して摂ることが重要になります。
スポーツドリンクや経口補水液なども活用しやすい選択肢のひとつです。みそ汁やスープなど、塩分と水分を一緒に摂れる食品も食習慣に取り入れやすいでしょう。ただし、塩分の摂りすぎにも注意が必要ですので、主治医の先生の指示に沿って取り入れてみてください。
思春期のお子さん、とくに女の子は鉄分が不足しやすい時期にあります。鉄分はからだの中で酸素を運ぶ赤血球をつくるために必要な栄養素です。鉄分が不足すると、血液の質が下がり、脳への酸素の供給がさらに不安定になることがあります。
日常の食事の中で意識して摂りたい食品としては、赤身の肉、あさりやしじみ、ひじきや小松菜、豆腐などがあります。鉄分はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まりますので、食事の中に野菜や果物も取り入れるといいですね。
自律神経を調整する神経伝達物質は、たんぱく質をもとにつくられます。たんぱく質が不足した食生活が続くと、神経のはたらきを支える材料が足りなくなってしまうのです。
卵、鶏肉、魚、豆腐、納豆、チーズなど、食べやすい形でたんぱく質を摂ることを意識してみてください。朝ごはんが食べられない日でも、たとえば牛乳一杯や豆乳だけでも口にできれば、それだけでも少しからだへの補給になります。
ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経機能を維持するために欠かせない栄養素です。特にビタミンB1、B6、B12は自律神経のはたらきと深く関わっています。豚肉、玄米、卵、バナナ、乳製品などに多く含まれています。
インスタント食品やお菓子、清涼飲料水に偏った食生活が続くと、ビタミンB群が消耗されやすくなります。加工食品を完全にやめることは難しくても、できる範囲でからだに必要な栄養素が含まれる食品を意識して選んでいけるといいですね。
何を食べるかと同じくらい大切なのが、いつ・どのように食べるかという食事時のあり方です。
起立性調節障害のお子さんは、朝に胃腸のはたらきが低下しているため、朝食を無理に決まった時間に摂ろうとするよりも、からだが少し動き始めたタイミングで「食べられそうなもの」を「食べられる量」だけ口にするというスタイルが合っていることがあります。
また、食後に症状が悪化するという場合もあります。食事をするとからだの血液が消化のために胃腸へ集まるため、立ち上がったときにさらに脳への血流が不足しやすくなることがあるからです。食後はしばらくゆっくり過ごす時間をつくってあげることも、日常の工夫として覚えておいてください。
どうしても固形物が食べられない朝でも、からだへの補給を諦めなくていいです。次のような選択肢を試してみてください。
温かいみそ汁やスープ(水分と塩分を同時に補給できる)
牛乳や豆乳(たんぱく質と水分を摂れる)
バナナ(消化がよく、ビタミンB6も含まれる)
ゼリー飲料やエネルギーゼリー(食欲がないときでも摂りやすい)
ヨーグルト(消化しやすく栄養価が高い)
「何も食べないよりも、ほんの少しでも口にできた」という日の積み重ねが、からだを支えることにつながっていきます。完璧な食事を目指すのではなく、その日その日でできることをしてあげる、それだけで十分です。
積極的に摂りたい栄養素がある一方で、日常の食習慣の中で控えめにしてほしいものもあります。
糖質を一度に大量に摂ると、血糖値が急激に上がってから急激に下がる「血糖値スパイク」が起きやすくなります。この血糖値の急激な変動は、自律神経にとって大きな負担になることがわかっています。お菓子やジュース、白いパンや白米だけの食事など、糖質に偏りやすい食習慣は少しずつ見直せるといいですね。
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、神経を刺激して心拍数を上げる作用があります。起立性調節障害のお子さんには、からだへの刺激が強くなることもありますので、飲む量や時間帯に気をつけてあげてください。また、冷たいものを一気に大量に摂ると、胃腸への負担が増すことがあります。できるだけ温かいものや常温のものを選ぶ習慣も、お腹にやさしい食習慣のひとつです。
ここまで食事と栄養状態の影響についてお伝えしてきましたが、ひとつ大切なことをお伝えしたいと思います。食事の改善はとても大事なサポートですが、それだけで起立性調節障害のすべてが解決するわけではありません。
この症状の根本には、自律神経のバランスの乱れや、からだ全体の機能的なアンバランスが複雑に絡み合っています。食習慣を整えながらも、からだ全体の状態を丁寧に診てもらえる環境で継続的にサポートを受けることが、改善への確かな道筋につながっていきます。
「食事を変えたのになかなか良くならない」「何をどこまで続ければいいかわからない」そういったお悩みを感じているなら、ひとりで抱え込まないでください。
少量でも栄養価の高いものを選ぶことが大切です。卵一個や牛乳一杯でも、からだにとって意味のある補給になります。量よりも質と継続を意識してみてください。
無理強いは逆効果になることがあります。みそ汁やスープなど、水分を料理の中で摂れる工夫をしてみてください。ほんのり温かいもののほうが飲みやすい場合も多いです。
食事からの摂取が基本ですが、食べられない日が続く場合は補助的に活用することもひとつの選択肢です。ただし、種類や量についてはかかりつけの先生にご相談のうえ取り入れてください。
夕方から夜にかけて食欲が出てくることは、起立性調節障害の特徴のひとつです。夕食でしっかりと栄養を補給することは、翌朝のからだの状態を整えることにもつながります。夕食にたんぱく質や野菜をしっかり取り入れる習慣は、食べられない朝のからだを支える意味でも大切です。
30年以上、たくさんの患者さんと向き合ってきた経験の中で、起立性調節障害で悩むお子さんとそのご家族のつらさを数えきれないほど見てきました。「怠けているのではないか」と思われてしまうことへの苦しさ、なかなか改善しないことへの焦りと不安、毎日の食事のことを試行錯誤しながら考え続けるお母さんの姿。そのすべてが、からだを治したいという純粋な思いから来ているものです。
食事と栄養状態を整えることは、お子さんのからだを内側から支える大切なサポートです。そして、日常の中でできることをひとつひとつ積み重ねていくことが、確実に意味を持っています。完璧にしようとしなくていいです。今日できることを、今日だけ試してみる、その繰り返しで大丈夫です。
ひとりで悩まないでください。どんな小さなことでも、いつでもお気軽にご相談いただけます。お子さんとご家族が、笑顔で過ごせる毎日を取り戻せるよう、精いっぱいサポートさせていただきます。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】



