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自律神経失調症×ストレッチで薬に頼りすぎない体を目指す方法(前編)

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こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。

なんとなく疲れが取れない日が続いていたり、理由のはっきりしない不調が重なって「もしかして自律神経がおかしいのかな」と感じていませんか。そんなときにまず試しやすいのが、体に負担の少ないストレッチによるセルフケアです。

「薬だけに頼らず、自分の力でも少しでも楽になりたい」と思って調べて、このページにたどり着いた方も多いと思います。

もし今のあなたが、朝起きた瞬間から体が重くて動き出せなかったり、頭痛やめまい、動悸や不安感、なかなか寝つけない夜に悩まされているなら、一度自律神経失調症という状態について知っておくことはきっと役に立ちます。

院長:表川

この記事では、自律神経の不調で悩んでいる同年代の方に向けて、臨床経験と研究の結果もふまえながら、ストレッチの意味や治療院でできるサポートについてできるだけやさしくお話ししていきます

目次

なぜ自律神経の不調でこんなにしんどくなるのか

まず、自律神経の調子が崩れるとどうしてここまでつらく感じるのかを、イメージしやすく整理してみましょう。

自律神経は、心臓の動きや呼吸、胃腸の働き、体温調節などを24時間休まずコントロールしている「体の自動スイッチ」のような存在です。元気に過ごせているときは、活動するときに働く交感神経と、休むときに働く副交感神経が、うまくバトンを渡し合っています。

ところが、仕事や人間関係のストレス、夜更かしや不規則な生活、ホルモンバランスの変化、スマホやパソコンの使いすぎなどが続くと、このバトンリレーがうまくいかなくなってきます。

その結果として、朝起きても疲れが抜けていない、頭がボーッとする、眠りが浅くて何度も目が覚める、急な動悸や不安感に襲われる、胃腸の調子が安定しない、手足の冷えや汗が気になるといった症状が同時に出てきやすくなります。

病院で検査をしても大きな異常が見つからないと、「気のせいかな」「自分が弱いだけなのかな」と自分を責めてしまいやすいですが、決してそうではありません。

体をコントロールしている自律神経のバランスが本当に乱れている状態なので、「サボっている」「甘えている」といった問題ではないのです。このことをまず知っておくだけでも、少し気持ちが楽になる方は多いと感じています。

ストレッチが自律神経にどう効くのかをやさしく解説

次に、「ストレッチで本当に自律神経が整うの?」という疑問について、お話しします。

ポイントになるのは、筋肉の緊張、血流、そして呼吸の三つです。ストレスが続くと、私たちの体は無意識のうちに力が入りやすくなり、特に首や肩、背中まわりの筋肉がカチカチに固まりやすくなります。

この状態が続くと、血液の流れが悪くなり、脳や自律神経にも負担がかかりやすい状態になります。

そこで、ゆっくりした呼吸に合わせて筋肉を伸ばしてあげると、こわばった筋肉が少しずつゆるみ、血流も良くなりやすくなります。

強く伸ばす必要はまったくなく、「気持ちいい」と感じる範囲で、反動をつけずに静かに伸ばすのがコツです。こうすることで、副交感神経が働きやすい状態が生まれ、心も体も少しずつ「休むモード」に入りやすくなります。

首の付け根や肩甲骨まわり、背骨のライン、股関節の動きが硬くなっていると、自律神経が影響を受けやすいことも研究や臨床の中でわかってきています。

呼吸が浅くなっている方ほど、胸や肋骨のあたりがガチガチに固まっていることも多く、胸や背中、わき腹をストレッチして呼吸のスペースを作ると、自然と息が深くなり、それだけで「なんだか楽になった」と感じる方もたくさんおられます。

学術研究から見た「ストレッチと自律神経」の関係

ここからは、専門家たちが行った研究をご紹介します。「本当にストレッチで自律神経に変化が出るの?」という疑問に、科学の視点からも少し近づいてみましょう。

ストレッチ中はアクセル、その後はブレーキが戻る

じっと伸ばした姿勢を保つ「静的ストレッチ」を行った研究では、ストレッチをしている最中は心拍数や血圧が少し上がり、交感神経(体のアクセル)の働きが強くなることが分かっています。この点だけを見ると「ストレッチはかえって緊張させるの?」と思うかもしれませんが、大事なのはそのあとです。

ストレッチを終えてしばらく休むと、心拍数や血圧、自律神経のバランスはだいたい元に戻り、ときには副交感神経(ブレーキ)が優位になってリラックス方向に傾くことも報告されています。

つまり、ストレッチは「やっているときは軽い運動のように体に刺激を入れるけれど、その後にスッと落ち着いてくる」という、波のような変化を作る、というイメージが近いかもしれません。この「揺さぶり」が、自律神経のトレーニングのような働きをしているのではないか、と考えられています。

首や肩を伸ばすとリラックスしやすいという結果

日本で行われた小さな研究では、首〜肩の上にある僧帽筋という筋肉や、太ももの筋肉を20秒ほど他動的にストレッチして、その前後で心拍のゆらぎを測っています。この心拍のゆらぎは、自律神経の働きをみるためによく使われる方法です。

人数が少ないため「絶対にこうだ」とは言い切れませんが、首や肩まわりを伸ばしたあとに、副交感神経の働きを示す数値が上がり、交感神経とのバランスが落ち着く方向に変化する傾向が見られました。

これは、「首や肩を伸ばすとホッとする」「肩こりが楽になると頭もスッキリする」という多くの方の実感とよく合っていて、首肩のストレッチがリラックス反応を引き出しやすい可能性を裏付けるものだと考えられます。

ストレッチの強さと自律神経の反応

ストレッチの「強さ」に注目した研究もあります。強めのストレッチと弱めのストレッチを比べたところ、強めの方で、脳のリラックスを示すアルファ波と交感神経の指標との間に、少し特徴的な関係が見られたという報告があります。これは、条件が整えば「少し強めのストレッチでも、かえってリラックス方向に働く場合がある」という可能性を示しています。

とはいえ、だからといって「痛いくらい強く伸ばした方が良い」という意味ではありません。研究でも、痛みを我慢するレベルのストレッチは推奨されておらず、やはり実際の現場では、気持ちよさを感じられる範囲のやさしい強さで行うことが、自律神経にも心にも良いと考えられています。

短時間のストレッチでも自律神経と頭に変化が出る

たった7分ほどの軽いストレッチ体操を行った研究では、自律神経の活動と、注意力などの「頭の働き」を調べています。その結果、ストレッチ後に自律神経の指標が変化し、一部のテストで認知機能が良くなるという結果が出ました。

つまり、長時間やらなくても、短時間のストレッチでも体と頭の両方に良い変化が出る可能性がある、ということです。

忙しい日常の中で、「何十分も運動するのは無理」と感じている方でも、数分間のストレッチなら取り入れやすいと思います。この「少しならできる」を積み重ねていくことが、自律神経のケアにもつながっていきます。

気分(メンタル)を落ち着かせる効果

自分で動きながら筋肉を伸ばしていく「アクティブストレッチ」の研究では、不安感が減ったり、前向きな気持ちが増えたりするなど、気分面の改善が見られたと報告されています。一方で、自律神経の数値そのものは大きく変わらない場合もありました。

これは、「ストレッチは気持ちを落ち着かせる効果は十分期待できるが、数値としての変化は人によって差が出やすい」と言い換えることもできます。

自律神経失調症で悩んでいる方の多くは、不安感や落ち込み、イライラなど「心のしんどさ」にも苦しんでおられます。ストレッチは、こうしたメンタル面を少しやわらげる意味でも、役立つツールの一つになると考えられます。

ストレスの多い仕事の人での研究

医療現場など、強いストレスがかかる環境で働く人たちに、定期的にストレッチを受けてもらった研究では、自律神経の活動量が上がり、疲労感や不安、イライラが減ることが示されています。

特に、4週間から数週間にわたり、週に数回のストレッチセッションを続けたグループでは、自律神経の「トータルパワー」と呼ばれる指標が上昇し、ストレスで下がっていた自律神経の働きが元気になった状態が確認されました。

これは、「忙しくてストレスが抜けない」「常に緊張している感じがする」という方ほど、ストレッチによる定期的なケアが、自律神経を回復させる助けになる可能性を示しています。自律神経失調症で悩んでいる方にとっても、参考になるポイントです。

まとめ

ここまで、自律神経がどのような働きをしているのか、そしてストレスや生活リズムの乱れが重なると、なぜ頭痛やめまい、不眠、動悸といった多彩な症状が出てくるのかをお話ししました。

また、筋肉のこわばりや呼吸の浅さが自律神経に影響しやすいこと、やさしいストレッチが「筋肉をゆるめる・血流を促す・呼吸を深くする」ことで、自律神経のバランスをサポートできる可能性があることもお伝えしました。

前半でお伝えしたポイントは、「強く伸ばせばいいわけではないこと」と「短い時間でも、続けることで体が変わっていく」という2つです。痛みを我慢するほどのストレッチは逆に体を緊張させてしまいますし、完璧を目指して三日坊主になるより、気持ちよく続けられる範囲でコツコツ続けるほうが、自律神経にとっても確実にプラスになります。

次回の後半記事では、具体的にどんなタイミングでどの部位を伸ばすと良いのか、朝・昼・夜のシーン別のアイデアや、症状別(朝つらい・頭痛がつらい・眠れないなど)のストレッチの考え方をご紹介していきます。また、「セルフケアだけでは限界を感じたときに、どのタイミングで専門家の力を借りればいいのか」も、わかりやすく整理していきます。

一人で抱え込まず、「自律神経は整えていけるものなんだ」と知っていただけるだけでも、明日への一歩は変わります。前半で学んだイメージを頭の片隅に置きながら、無理のないペースで一緒に体を整えていきましょう。

【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】

参考文献

・Costa e Silva GC, et al. Acute effects of different static stretching exercises orders on cardiovascular and autonomic responses. Scientific Reports, 2019.

・Imagawa T, et al. The impact of stretching intensities on neural and autonomic responses, 2023.

・日本国内研究「ストレッチング施行による自律神経活動の変化」ほか、自律神経機能とストレッチに関する報告

・短時間ストレッチ体操が自律神経活動と認知機能に及ぼす影響を検討した研究(2022年報告)

・アクティブストレッチが気分と自律神経に与える影響を検討した研究(2024年報告)

・看護師などストレスの高い職種を対象とした、継続的ストレッチ介入による自律神経活動・自覚症状改善の報告


院長:表川

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