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更年期の自律神経の乱れを整える夜の習慣

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こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。

前回の記事では、更年期の時期に起こりやすい「なんとなくしんどい」という感覚の背景には、自律神経とホルモンのバランスの乱れがあることをお話ししました。顔のほてりや急な汗、理由のはっきりしない動悸や不安感、眠りの浅さや朝から抜けないだるさなど、いくつもの症状が重なって戸惑ってしまうこともありますよね。

検査では大きな異常が見つからなくても、自分の中では「明らかにいつもと違う」と感じている。そのギャップがつらさを増やしてしまい、「気のせいなのかな」「年齢のせいだから仕方ないのかな」と自分を責めてしまうこともあると思います。ここまで読み進めてくださったあなたは、きっとご自身の体の変化と真剣に向き合おうとしている方です。本当に、ここまでよく一人でがんばってこられましたね。

でも、原因や仕組みが少し見えてきた今こそ、「この先どう整えていくか」を一緒に考えていくタイミングです。生活全部を一気に変える必要はありません。ちょっとしたセルフケアや、体の使い方を見直すだけでも、自律神経は少しずつ落ち着きを取り戻していきます。

ここからは、今日から取り入れやすい具体的な整え方をご紹介していきますので、「できそうなものを一つだけ試してみようかな」という気持ちで読んでみてください。より詳しい症状の説明は自律神経失調症のページも参考にしてみてください。

院長:表川

更年期と自律神経の揺らぎをゼロにすることは難しくても、「前よりもラクに過ごせる時間を増やす」ことは十分に可能だと感じています。そのための小さなコツを、ここから一緒に整理していきましょう

目次

研究から分かるセルフケアのポイント

前回の記事では、更年期の時期に自律神経が乱れやすくなる理由や、代表的な症状についてお伝えしてきました。次は、「実際に何をしたらいいのか」という具体的な部分を見ていきましょう。医学的な研究で効果が報告されている方法の中から、日常生活に取り入れやすいポイントを選んでお伝えします。

もちろん、すべてを完璧にやる必要はありません。大切なのは、自分の生活スタイルに合ったものをいくつか選び、できる範囲で続けていくことです。「これならできそう」と思えるものを見つけていただけたらうれしいです。

寝る前の軽いストレッチ

日本の研究では、更年期世代の女性に寝る前のストレッチを一定期間続けてもらったところ、更年期症状の点数と気分の落ち込みが改善したという報告があります。特に、首や肩、背中、股関節まわりをゆっくり伸ばすようなシンプルな動きが、自律神経のバランスを整えるのに役立つとされています。

ポイントは、「頑張って伸ばす」ではなく、「気持ちよく伸びる」くらいの力加減で行うことです。呼吸を止めないようにしながら、吐く息のタイミングに合わせてじんわり伸ばしていくと、副交感神経が働きやすくなります。特に、スマホやパソコンで前かがみになりがちな首と肩をゆるめることで、頭への血流も良くなりやすくなります。

忙しい日でも、寝る前の5〜10分だけ自分の体と向き合う時間をつくることで、「今日も一日よく頑張ったな」と体を労わるきっかけにもなります。少しの積み重ねが、数週間後、数カ月後の体の軽さにつながっていきます。

首と肩をゆるめるストレッチ

スマホやパソコンで前かがみになりやすい首と肩は、自律神経にとっても大事なポイントです。寝る前に少しゆるめてあげましょう。

  • イスに浅く座り、背すじを軽く伸ばします
  • 右手で左の耳の上あたりをそっと持ち、息を吐きながら頭を右に傾けます
  • 左の首すじから肩にかけて、気持ちよく伸びるところで10〜15秒キープします
  • 力を抜いて頭を戻し、反対側も同じように行います
  • 次に、両手を頭の後ろで軽く組み、息を吐きながら少しだけあごを引くように頭を前に倒します
  • 首の後ろがじんわり伸びるところで10〜15秒キープし、ゆっくり戻します

背中と胸を開くストレッチ

丸くなりがちな背中や閉じた胸まわりを開くと、呼吸が入りやすくなり、副交感神経が働きやすくなります。

  • イスに座ったまま、両手を体のうしろで組みます(きつければ指をひっかけるだけでもOKです)
  • 息を吸いながら、胸を少し前に出すように開き、目線をほんの少しだけ上げます
  • 胸の前側が伸びて、肩が後ろに引かれる感覚があればそのまま10〜15秒キープします
  • 息を吐きながら力を抜き、一度肩をストンと落とします
  • 余裕があれば、これを2〜3回くり返します

腰とおしりをゆるめるストレッチ

日中ずっと頑張っている腰やおしりをゆるめておくと、寝るときに全身の力が抜けやすくなります。布団の上でできる簡単なものです。

  • 仰向けに寝て、両ひざを立てます(足は腰幅くらい)
  • 息を吐きながら、右ひざを胸のほうに引き寄せ、両手で抱えます
  • おしりの奥が心地よく伸びるところで10〜15秒キープします
  • ゆっくり足を戻し、反対側も同じように行います
  • 余裕があれば、最後に両ひざを同時に胸のほうに引き寄せ、腰からおしりがふんわり伸びる感覚を味わいながら10〜20秒キープします

首まわりを温めてリラックス

首の後ろを温めると、自律神経のバランスが整い、気持ちよさが増したという報告もあります。首のうしろには自律神経に関わる重要な神経が通っており、ここを温めることで全身の緊張がふっと和らぎやすくなるのです。肩こりや頭の重さが強い方にも、比較的取り入れやすいケアだと思います。

使い方としては、電子レンジで温めるタイプの温熱グッズや、蒸しタオルを首の後ろから肩にかけるように当てて、5〜10分ほどじんわり温めてあげるのがおすすめです。このとき、深呼吸を意識しながら行うと、よりリラックス効果が高まりやすくなります。寝る前や、ホッと一息つきたいタイミングで取り入れてみてください。

体を温めるケアは、冷えやすい手足の血流にも良い影響を与えます。特に更年期の時期は「上半身はほてるのに足だけ冷える」というアンバランスが起こりやすいので、首や背中を温めることで全体のバランスを整えていくイメージを持っていただくと良いと思います。

呼吸を整えて、自律神経にやさしい合図を送る

ストレッチや温めと一緒に、「吐く息を長めにする呼吸」を覚えておくと、自分で自律神経にブレーキをかけるスイッチを持てるようになります。布団の中でも、仕事の休憩中でも、どこでもできる方法です。

吐く息長めのリラックス呼吸

  • イスに座るか、仰向けに寝て、楽な姿勢をとります
  • 片手をお腹に当てて、お腹の動きを感じられるようにします
  • 鼻からゆっくり3〜4秒かけて息を吸い、お腹が少しふくらむのを感じます
  • 口をすぼめるか鼻から、6〜8秒くらいかけて細く長く息を吐きます(ろうそくの火を消さないくらいのイメージ)
  • これを5〜10回くり返します。途中でしんどくなったら回数を減らしてOKです

「吸う3秒/吐く6秒」がきつければ、「吸う2秒/吐く4秒」など、今の自分が心地よく続けられるペースに調整してください。大事なのは、吸うよりも吐く時間を少しだけ長くすることです。

生活リズムと食事のちょっとした見直し

自律神経は、毎日の生活リズムと強く結びついています。研究でも、起きる時間や寝る時間、食事のタイミングが大きく乱れていると、自律神経のバランスも不安定になりやすいことが指摘されています。いきなり完璧な生活に変える必要はありませんが、「できる範囲でそろえる」意識を持つだけでも、体は少しずつ楽になっていきます。

例えば、平日と休日の起床時間を2時間以上ずらさないようにするだけでも、体内時計は安定しやすくなります。朝はコーヒーだけで済ませてしまうという方も、小さなパンやおにぎり、スープなどをプラスしてあげると、自律神経にとっては良い刺激になります。冷たい飲み物ばかりでなく、温かい飲み物を意識的に増やすのもおすすめです。

また、カフェインやアルコール、砂糖のとり過ぎは、自律神経を刺激しやすく、眠りやホットフラッシュにも影響しやすいと言われています。完全にやめる必要はありませんが、飲む時間帯や量を少し工夫するだけでも、体の感覚が変わってくることがあります。

治療院でできる自律神経と更年期のサポート

ここまでは、ご自宅でできるセルフケアを中心にお伝えしてきました。ただ、症状が強くなっている場合や、自分ではどう整えたらいいのか分からなくなっているときには、専門家の手を借りることも大切です。ここからは、整骨院としての視点から、どのようなサポートが可能なのかをお話しします。

大樹整骨院では、体の構造と神経の働きの両方から、自律神経の負担を和らげていくことを大事にしています。更年期の不調は、「心」だけの問題でも「年齢」だけの問題でもありません。首や背骨、骨盤まわりのバランス、筋肉の硬さ、姿勢や歩き方など、全身の状態と切り離せないからです。

更年期の時期は、体も心も敏感になっている方が多く、強い刺激の施術が負担になることもあります。そこで当院では、コンピューター制御の振動刺激を用いたバイタルリアクトセラピーという施術を導入しています。

この施術では、首や背骨などのポイントに対して、やさしく短時間の振動刺激を加え、関節の動きや神経の通り道を整えていきます。強く押したり、無理にひねったりはしませんので、「整体は初めてで怖い」という方にも受けていただきやすいと感じています。刺激の強さも一人ひとりの状態に合わせて細かく調整していきます。

体の歪みや筋肉の緊張をやさしく整えながら神経の流れをスムーズにすることで、自律神経が本来のリズムを取り戻しやすい環境をつくっていくことを何より大切にしています。これは、表面的な症状だけを一時的に抑えるのではなく、土台から整えるためのアプローチだと考えています。

一人で抱え込まずに相談してほしい理由

更年期と自律神経の乱れが重なる時期は、体の変化に戸惑いながらも、家庭や仕事ではまだまだ頼られる立場であることが多い年代です。

そのため、自分のしんどさを後回しにしてしまい、「まだ我慢できるから」と頑張り続けてしまう方が本当にたくさんおられます。気づいたときには、かなりギリギリまで追い込まれているケースも少なくありません。

医学的な研究からも、こうした状態を長く放置すると、将来の心臓や血圧のリスクとも関係してくる可能性が指摘されています。今のしんどさを軽くすることはもちろん大切ですが、「これから先の自分のため」にも、早めに自律神経を整えておくことはとても意味のあることだと感じています。

年齢のせいだけで片付けないでください

多くの方が、「自分の年齢なら仕方ないのかな」「周りもみんな我慢しているし」と、自分を納得させようとされます。でも、同じ年代でも、体の整え方によって毎日の過ごしやすさには大きな差が出てきます。痛みや不調を抱えながらなんとか頑張るのと、余裕を持って日々を楽しめるのとでは、心のゆとりも大きく変わってきます。

年齢を重ねたからこそ、自分の体を大切に扱う選択肢を持つことが、とても大事だと思います。若いときのように無理をきかせるのではなく、「今の自分にはどんなペースやケアが合っているのか」を一緒に探していければ、これから先の10年、20年の過ごし方も変わっていくはずです。

更年期は「終わり」ではなく、自分の体とじっくり向き合う新しいスタートだと捉えてみませんか。そう考えるだけでも、今感じている不安や焦りが少し違って見えてくるかもしれません。

最後に

ここまでご紹介してきたストレッチや首まわりの温め、呼吸法、生活リズムや食事のちょっとした見直しは、どれも特別な道具もいらず、今日から始められるものばかりです。

全部を完璧にこなす必要はなくて、「今日は首を温められた」「寝る前の呼吸だけできた」そんな小さな一歩で十分、自律神経は少しずつ落ち着きを取り戻していきます。

更年期と自律神経の乱れが重なる時期は、心も体もゆらぎやすく、「頑張りたい気持ち」と「動けない現実」の間で自分を責めてしまいがちです。でも、本当に必要なのは自分を追い込むことではなく、今の自分をねぎらいながら整えることだと考えています。

セルフケアをできる範囲で続けつつ、「これだけでは少し不安だな」と感じたときには、どうか一人で抱え込まず、専門家の手も借りてくださいね。

大樹整骨院では、今回お伝えしたようなセルフケアと、体のゆがみや神経の流れを整える施術を組み合わせながら、一人ひとりのペースに合わせてサポートしています。

あなたがまた、自分らしく笑える毎日を取り戻せるように、いつでもお手伝いさせていただきますので、「少し話を聞いてほしいな」と感じたタイミングで、どうぞ遠慮なくご相談ください。

【監修】柔道整復師・鍼灸師:表川大樹

参考文献

更年期と自律神経に関するブログ記事作成の際に参考にした主な学術論文・資料は、以下の通りです。

【日本語論文・報告】
1) 甲斐裕子ほか「中年女性の更年期症状および抑うつ症状に対するストレッチの効果」体力科学
2) 「自律神経活動から評価した更年期外来における心理療法の臨床効果」CiNii掲載論文
3) 福島峰子「更年期障害と◯◯症候群との関連についての文献検討」高知学園短期大学紀要
4) 前林亜紀「更年期障害」日本の医学系雑誌に掲載された総説
5) 「レーダーチャート式自律神経バランス解析の女性更年期障害患者への応用」産業医科大学関連論文(HRV解析)
6) 「夜間の自律神経機能を調整し更年期症状を緩和する鍼治療と看護の実践」日本看護系学会誌
7) 加藤京里「後頸部温罨法による自律神経活動と快適感の変化」看護系紀要
8) 「女性の更年期症状を改善する食事、運動、認知、教育介入に関する研究」厚生労働科学研究報告書
9) 「一般用女性保健薬の更年期不定愁訴に対する改善効果の検証」診療と新薬 61巻4号

【英語レビュー・基礎研究】
10) Schwarz et al. “Autonomic nervous system dysfunction throughout menopausal transition: a potential mechanism …”(更年期移行期の自律神経機能障害に関するレビュー)
11) “Menopause and its effects on autonomic regulation of blood pressure”(更年期と血圧の自律性調節に関するレビュー)

【基礎研究・解説資料】
12) 国立生理学研究所レポート「ホットフラッシュを引き起こす神経回路」(視床下部ニューロンと体温調節・自律神経)

【わかりやすい一般向け医療解説(自律神経×更年期の整理用)】
13) オムロン ヘルスケア「更年期にはどうして自律神経失調症のような症状が起こるの?」
14) クラシエ「更年期症状の原因は自律神経の乱れ?女性ホルモンとの関係」
15) 更年期関連解説ページ「更年期障害の症状と原因」「ホットフラッシュの原因・対策」など

これらの論文・資料をもとに、更年期のホルモン変化と自律神経の関係、心拍変動(HRV)による評価、ストレッチ・鍼・温罨法・生活習慣介入などのエビデンスを整理して記事内容に反映しています。


院長:表川

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