【5秒でご案内】症状検索ページもご利用ください

走れる膝を取り戻すランナー膝ストレッチ

本日の予約状況

こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。

ランニングが大好きな方にとって、膝の外側に感じる痛みは本当につらいものですよね。特に走っている最中や走り終わった後に、ズキズキと膝が痛むと「もう走れないかもしれない」と不安になる気持ち、よくわかります。

実は、ランナー膝についてはたくさんの研究が行われていて、どんなストレッチや運動が効果的なのかが科学的に明らかになってきています。今日は、世界中の研究論文を読み解いて、本当に効果のある方法をわかりやすくお伝えしますね。

院長:表川

30年以上の臨床経験と最新の研究結果を組み合わせて、あなたの膝の痛みを改善する方法をお伝えします

目次

ランナー膝って何が起きているの

ランナー膝は医学的には腸脛靭帯炎と呼ばれます。ランニングをする人の膝の痛みの中で、膝のお皿の痛みに次いで2番目に多く、走る人の約10人に1人が経験すると言われているんです。昔は膝の外側にある太い靭帯が骨とこすれて炎症を起こすと考えられていましたが、最近の研究では少し違うことがわかってきました。

2023年に発表された研究論文によると、実は摩擦ではなくて、腸脛靭帯が膝の外側の骨を圧迫することが痛みの原因だと考えられるようになっています。走っているときに膝が曲がったり伸びたりする動きの中で、この靭帯が骨を押しつけてしまい、その圧力が痛みを引き起こすというわけです。

痛みは最初、走り終わった後だけに感じることが多いのですが、放っておくと走っている最中にも痛むようになり、最終的には階段の上り下りや歩くだけでも痛みを感じるようになってしまいます。

ストレッチは本当に効果があるのか

「ランナー膝にはストレッチが良い」とよく言われますが、実際のところどうなのでしょうか。2024年に発表された研究論文で、13の研究を詳しく調べた結果が報告されています。この研究では合計201人のランナー膝患者を対象にした治療法が分析されました。

結論から言うと、ストレッチだけでは効果が限定的で、お尻や太ももの筋肉を強くする運動と組み合わせることが最も効果的だということがわかったんです。ストレッチを単独で行った研究では、痛みの改善効果がはっきりと数字に表れませんでした。

でも、がっかりしないでください。ストレッチがまったく意味がないわけではありません。他の治療法と組み合わせることで、全体の治療効果を高めることができるのです。

研究で証明された最も効果的な方法

2020年に24人の女性ランナーを対象に行われた研究では、3つのグループに分けて8週間の治療効果を比較しました。その結果、お尻の筋肉を強くする運動を行ったグループが、最も多くの項目で改善が見られたんです。

なぜお尻の筋肉が大切なのでしょうか。

お尻にある中殿筋という筋肉が弱くなると、走るときに膝が内側に入ってしまい、腸脛靭帯への負担が増えてしまいます。逆にこの筋肉をしっかり鍛えることで、膝への負担が減り、痛みが改善されるというわけです。

別の研究では、2週間から8週間の治療で痛みが27%から最大100%も軽減されたという結果が報告されています。特に股関節周りの筋肉を鍛える運動を含めた治療法では、平均して71%も痛みが減ったという驚きの効果が確認されました。

どんなストレッチが効果的なのか

研究で使われている効果的なストレッチ方法をご紹介します。これらは実際に論文で効果が確認されているものなので、安心して取り組んでください。

立った状態で行うストレッチ

2000年に発表された研究で紹介されているストレッチ方法です。痛む方の足を後ろに引いて、反対の足の後ろで交差させます。そして壁に手をついて、腰を壁と反対方向にゆっくり押し出すようにします。太ももの外側がしっかり伸びているのを感じながら、30秒キープしてください。これを左右3回ずつ繰り返しましょう。

別のやり方として、両手を頭の上で組んで、痛む方と反対側に体を倒すストレッチも効果的です。このとき、痛む方の足は伸ばして反対の足の後ろに交差させた状態を保ちます。

横向きに寝て行うストレッチ

ベッドやマットの上で横向きに寝て、痛む方の足を上にします。その足の膝を90度に曲げて、かかとをお尻に近づけます。そのまま足を後ろに伸ばしながら、太ももの外側が伸びるのを感じてください。20秒から30秒キープします。

このストレッチは、2023年の研究でも効果が確認されている方法です。寝る前やお風呂上がりに行うと、体が温まっているので筋肉が伸びやすくなります。

ストレッチより大切な筋力トレーニング

研究結果を見ると、ストレッチ以上に大切なのが筋力トレーニングです。特にお尻の横の筋肉を鍛える運動が、ランナー膝の改善にとても効果的だということがわかっています。

横向きで足を上げる運動

横向きに寝て、上側の足をゆっくり持ち上げます。このとき、足のつま先は正面に向けたまま、お尻の横の筋肉を使って持ち上げることを意識してください。10回を2セットから始めて、慣れてきたら回数を増やしていきます。

片足で立つ練習

片足で立って、反対の膝を軽く曲げます。このとき、立っている方の膝が内側に入らないように注意してください。最初は壁に手をついて行い、慣れてきたら手を離して挑戦しましょう。20秒キープを3回繰り返します。

お尻歩き

横向きに数歩ずつ歩く練習です。膝を少し曲げた状態で、お尻の筋肉を使いながら横に移動します。ゴムバンドを膝の上に巻いて行うと、さらに効果が高まります。左右に10歩ずつを3セット行いましょう。

フォームローラーも効果があります

最近の研究では、フォームローラーという道具を使った筋膜リリースも効果があることがわかってきました。2022年の研究では、自転車に乗る男性がフォームローラーを20分使った後、痛みが大きく減ったという結果が報告されています。

フォームローラーの使い方は、床に置いたローラーの上に太ももの外側を乗せて、体重をかけながらゆっくりと転がします。痛みを感じる部分では少し止まって、じっくり圧をかけることが大切です。ただし、あまり強く押しすぎないように注意してください。

研究によると、3分から5分程度のフォームローラーでも効果があるそうです。運動前後に取り入れると良いでしょう。

どれくらいの期間続ければいいの

研究結果を見ると、効果が現れるまでの期間は人によって違いますが、多くの研究で4週間から8週間の治療で大きな改善が見られています。2024年の研究では、股関節の筋力トレーニングを含む治療を行った人の多くが、6週間後には痛みなく走れるようになったと報告されています。

大切なのは、毎日コツコツ続けることです。週に3回以上、ストレッチと筋力トレーニングを組み合わせて行うことが推奨されています。特に、ストレッチは週に最低でも5分以上行うと効果が高まるという研究結果もあります。

やってはいけないことも知っておこう

研究からわかった、避けるべきことも大切です。痛みがあるのに無理して走り続けることは、症状を悪化させる最大の原因です。2020年の研究でも、適切な休息をとることの重要性が強調されています。

また、ストレッチをするときに勢いをつけて反動で伸ばすと、筋肉を痛めてしまう可能性があります。ゆっくりと息を吐きながら、じわじわと伸ばしていくことが大切です。

そして、痛みのある部分を強く揉んだりマッサージしたりするのも避けましょう。炎症が起きている部分に強い刺激を与えると、かえって症状が悪化することがあります。

複数の方法を組み合わせると効果が高い

2024年に発表された最新の研究では、複数の治療法を組み合わせた方が、単独で行うよりも効果が高いことが明らかになりました。例えば、ストレッチと筋力トレーニングと手技療法を組み合わせた治療では、単独で行った場合の61%に対して、71%も痛みが減ったという結果が出ています。

当院でも、この研究結果を踏まえて、ストレッチや筋力トレーニングの指導に加えて、バイタルリアクトセラピーという最先端の治療機器を使った施術を組み合わせています。関節、筋肉、神経、姿勢、歩行の5つの検査で根本的な原因を見つけ出し、一人ひとりに合わせた治療プランを立てることで、多くの方が改善しています。

こんな場合は専門家に相談を

毎日ストレッチや筋力トレーニングを続けても、2週間経っても痛みが改善しない場合は、専門家に相談することをおすすめします。研究でも、早期に適切な治療を受けることの重要性が指摘されています。

また、痛みがだんだん強くなっている、安静にしていても痛む、膝が腫れているといった症状がある場合は、できるだけ早く専門家の診察を受けてください。こうした症状は、より深刻な問題が隠れている可能性があります。

まとめ:科学的根拠に基づいた治療が大切です

世界中の研究結果から、ランナー膝の改善には次のことが効果的だとわかっています。第一に、ストレッチだけでなく、お尻や股関節周りの筋肉を強くする運動を組み合わせることが最も大切です。第二に、複数の治療法を組み合わせることで、より高い効果が得られます。第三に、4週間から8週間、週に3回以上の頻度で続けることで、確実に改善が期待できます。

今日ご紹介した方法は、すべて科学的な研究で効果が証明されているものです。ただし、人によって原因は違いますし、効果の現れ方も異なります。自分に合った方法を見つけることが大切なんです。

もし、セルフケアだけでは改善が見られない場合は、一人で悩まずにぜひご相談ください。あなたの膝の状態を詳しく検査して、本当の原因を見つけ出し、科学的根拠に基づいた最適な治療プランを提案させていただきます。大好きなランニングを心から楽しめる日々を、一緒に取り戻していきましょう。

【監修】柔道整復師・鍼灸師:表川大樹

参考文献

  1. McKay J, Maffulli N, Aicale R, Taunton J. Iliotibial band syndrome rehabilitation in female runners: a pilot randomized study. J Orthop Surg Res. 2020;15:188.
  2. Opara M, Kozinc Ž. Stretching and Releasing of Iliotibial Band Complex in Patients with Iliotibial Band Syndrome: A Narrative Review. J Funct Morphol Kinesiol. 2023;8(2):74.
  3. Sanchez-Alvarado A, Bokil C, Cassel M, Engel T. Effects of conservative treatment strategies for iliotibial band syndrome on pain and function in runners: a systematic review. Front Sports Act Living. 2024;6:1386456.
  4. Fredericson M, Cookingham CL, Chaudhari AM, Dowdell BC, Oestreicher N, Sahrmann SA. Hip abductor weakness in distance runners with iliotibial band syndrome. Clin J Sport Med. 2000;10(3):169-175.
  5. Mellinger S, Neurohr GA. Evidence based treatment options for common knee injuries in runners. Ann Transl Med. 2019;7(Suppl 7):S249.
  6. Friede MC, Klauser A, Fink C, et al. Stiffness of the iliotibial band and associated muscles in runner’s knee: Assessing the effects of physiotherapy through ultrasound shear wave elastography. Phys Ther Sport. 2020;45:126-134.
  7. Pepper TM, Brismée JM, Sizer PS Jr, et al. The Immediate Effects of Foam Rolling and Stretching on Iliotibial Band Stiffness: A Randomized Controlled Trial. Int J Sports Phys Ther. 2021;16(3):651-661.

院長:表川

どんなお悩みもお気軽にご相談ください

住所
滋賀県守山市勝部2丁目1-22-1
電話番号
077-532-6225
定休日
日曜
ご予約・お問い合わせ
050-3645-3688
24時間受付中

気軽にシェアしてください
目次