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膝の痛みにサポーターは効果的?整骨院長が正しい選び方を伝授

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こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。

膝が痛むとき、サポーターを使うべきかどうか迷いますよね。実は最近、膝のサポーターについて世界中の研究機関で科学的な研究が進んでいて、どんな効果があるのかが少しずつ明らかになってきているんです。

今日は「本当に膝の痛みにサポーターは効果があるのか」という疑問に、最新の研究結果を交えながらお答えしていきます。難しい言葉はできるだけ使わず、中学生の皆さんにも分かるように説明しますので、安心して読み進めてくださいね。

院長:表川

科学的な研究結果を分かりやすくお伝えしますね

目次

科学的に証明された膝サポーターの効果

膝のサポーターは昔から使われてきましたが、実は「本当に効果があるのか」をきちんと調べた研究は意外と少なかったんです。でも最近になって、国内外の研究機関が科学的な実験を行い、サポーターの効果が明らかになってきました。

歩き方が整って転びにくくなる

2024年7月、日本の産業技術総合研究所という国の研究機関が、とても興味深い研究結果を発表しました。健康な高齢者16名に協力してもらい、サポーターをつけたときとつけないときで、歩き方がどう変わるかを調べたんです。

すると、早歩きをするときにサポーターをつけると、左右の足の動きのバランスが良くなることが分かりました。これを専門用語では「歩行の対称性が向上する」と言います。

なぜこれが大切かというと、左右のバランスが悪い歩き方をしていると、つまずいて転びやすくなるからです。特に高齢者の方は、転倒すると骨折して寝たきりになってしまうリスクがあります。サポーターをつけることで歩き方が整い、転倒のリスクを減らせる可能性があるということなんですね。

痛みが軽くなり日常生活が楽になる

2022年にヨーロッパで行われた大規模な研究では、変形性膝関節症という病気を持つ381名の患者さんにサポーターを3週間使ってもらい、その効果を調べました。変形性膝関節症というのは、膝の軟骨がすり減って骨同士がこすれ合い、痛みが出る病気です。主に50代以降の方に多く見られます。

この研究の結果、サポーターを使った人の54%が「痛みが減った」と答え、62%の人が「日常生活の動作が楽になった」と答えました。また、家の中しか動けなかった人の74%が、サポーターをつけることでもっと遠くまで歩けるようになったそうです。近所のお店まで歩けなかった人の50%も、歩ける距離が伸びたという結果が出ています。

膝を支える筋肉の負担が減る

2007年にアメリカで行われた研究では、膝のサポーターがどのような仕組みで痛みを和らげるのかが調べられました。この研究では、サポーターをつけると膝の周りの筋肉が過度に緊張しなくなることが分かったんです。

膝が不安定だと、体は自然に筋肉を硬く緊張させて膝を守ろうとします。でもこの緊張が続くと、筋肉が疲れて痛みが増してしまいます。サポーターが膝を外から支えてくれることで、筋肉が過度に頑張る必要がなくなり、結果として痛みが和らぐという仕組みです。

サポーターの効果には限界もある

ここまでサポーターの良い効果をお伝えしてきましたが、実は注意しなければならないことがあります。それは、すべての研究で同じ結果が出ているわけではないということです。

効果を感じない人もいる

世界中の研究をまとめたコクランレビューという権威ある報告書によると、変形性膝関節症の患者さんが膝サポーターを使った場合、痛みの軽減や膝の機能改善については「ほとんど差がないか全くないかもしれない」という結果が出ています。この報告書は13件の研究(参加者1356名)を詳しく分析したものです。

つまり、サポーターの効果を強く感じる人もいれば、あまり効果を感じない人もいるということです。これは人によって膝の痛みの原因が違うためだと考えられています。軟骨がすり減っている人、靭帯が伸びている人、筋力が弱い人など、原因が違えば必要な治療も変わってくるんですね。

治療をやめてしまう人も多い

研究の中では、サポーターを使い始めても途中でやめてしまう人が多いことも報告されています。理由としては、サポーターが暑くて蒸れる、ずれてしまう、装着が面倒くさい、思ったほど効果を感じないなどが挙げられています。どんなに良いサポーターでも、続けて使わなければ効果は期待できません

あなたに合ったサポーターの選び方

研究結果から分かったことは、サポーターは正しく選んで正しく使えば効果が期待できるということです。ここからは、自分に合ったサポーターを選ぶポイントをお伝えします。

症状に合わせて固定力を選ぶ

サポーターには大きく分けて3つのタイプがあります。まず、薄手で柔らかい軽いサポートタイプは、予防目的や軽い痛みの方に向いています。次に、中程度の固定力があるタイプは、変形性膝関節症の方や日常生活で膝の不安定さを感じる方に適しています。最後に、金属やプラスチックの支えが入った強固定タイプは、靭帯を痛めた後のリハビリ期やスポーツをする方に向いています。

自分の症状がどのタイプに当てはまるのか分からない場合は、専門家に相談することをお勧めします。私たちの整骨院でも、患者さん一人ひとりの状態を見て、最適なサポーターのタイプをアドバイスしています。

サイズは必ず測って選ぶ

サイズ選びはとても重要です。小さすぎると血の流れが悪くなり、逆に痛みやしびれを起こすことがあります。大きすぎると膝を支える効果がなく、歩いているうちにずれ落ちてしまいます。

サポーターを買うときは、膝のお皿の周りや太ももの太さを測り、メーカーのサイズ表を確認してください。できれば店頭で試着してから購入するのが一番です。

使用目的で素材を選ぶ

サポーターの素材も様々です。メッシュ素材は通気性が良く、スポーツや夏場に適しています。ネオプレンという素材は保温性が高く、冬場や冷え性の方に向いています。抗菌防臭加工がされているものや、洗濯機で洗えるものなど、衛生面でも違いがあります。自分がどんな場面で使うのかを考えて選びましょう。

サポーターを使うときの注意点

サポーターは便利な道具ですが、使い方を間違えると逆効果になることもあります。研究でも、長時間の使用や間違った使い方のリスクが指摘されています。

つけっぱなしは筋力低下の原因に

サポーターを一日中つけっぱなしにすると、膝を支える筋肉が弱くなってしまう可能性があります。筋肉は使わないと衰えてしまうので、サポーターに頼りきりになるのは良くありません。基本的には、痛みが出やすい動作をするときや、長時間歩くとき、運動をするときなど、必要なときだけ使うようにしましょう。

締めすぎに注意する

効果を高めようときつく締めすぎる方がいますが、これは危険です。血の流れが悪くなり、しびれやむくみの原因になります。着用するときは、指が1本入る程度のゆとりを持たせるのが適切です。もし着用中に痛みやしびれ、冷たい感じがしたら、すぐに外して休憩してください。

清潔に保つことが大切

サポーターは肌に直接触れるものなので、清潔に保つことが大切です。汗や皮脂で汚れると雑菌が増え、皮膚トラブルの原因になります。使った後は汗を拭き取り、定期的に洗濯しましょう。洗い方は製品によって違うので、必ず説明書を確認してください。

サポーターだけに頼らない膝のケア

ここまで研究結果を基にサポーターの効果についてお話ししてきましたが、最も大切なことをお伝えします。それは、サポーターはあくまで補助的な道具であり、根本的な治療にはならないということです。

膝の痛みの原因は一人ひとり違います。軟骨のすり減り、靭帯や筋肉の損傷、姿勢の歪み、筋力不足、体重過多など、様々な要因が絡み合っています。研究でも、サポーターの効果に個人差があることが示されています。これは、痛みの原因が人によって違うからだと考えられます。

例えば、膝の痛みの原因が実は骨盤の歪みにあったり、足首の動きの悪さから来ていたりすることもあります。また、太ももの筋肉が硬くなっていたり、筋力が低下していたりすることで、膝に過度な負担がかかっているケースも多いんです。

まとめ:科学的根拠に基づいた膝のケアを

今回ご紹介した研究結果から、膝のサポーターには一定の効果があることが科学的に証明されています。特に歩行の安定性向上や痛みの軽減、日常生活動作の改善などが期待できます。ただし、その効果には個人差があり、すべての人に同じように効くわけではありません。

大切なのは、サポーターを使うかどうかではなく、あなたの膝の痛みの原因をきちんと見極めて、適切な対策を取ることです。もし今、膝の痛みでお悩みなら、まずは専門家に相談してみてください。あなたの痛みの原因は何なのか、どんな治療が適しているのか、サポーターは必要なのか、そういったことを一緒に考えていきましょう。

一人で悩んで我慢し続けると、症状が悪化して治りにくくなってしまうこともあります。30年以上の経験を活かして、あなたの膝の悩みを解決するお手伝いをさせていただきます。いつでもご相談ください。

【監修】柔道整復師・鍼灸師:表川大樹

参考文献

  1. Inai T, Kudo S, Tsuchida W, Fujimoto M. Knee sleeves improve gait symmetry during fast walking in older adults. Frontiers in Bioengineering and Biotechnology. 2024;12:1394314. doi:10.3389/fbioe.2024.1394314
  2. 産業技術総合研究所. 膝サポーターが歩行を”整える”ことを実証-着用により歩行の対称性が向上-. 2024年7月18日. https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20240718/pr20240718.html
  3. Dries T, et al. Effects of a semi-rigid knee brace on mobility, pain and daily functioning in patients with osteoarthritis. Journal of Rehabilitation Medicine – Clinical Communications. 2022;5:2004. doi:10.2340/jrmcc.v5.2004
  4. Pollo FE, Otis JC, Backus SI, Warren RF, Wickiewicz TL. A mechanical theory for the effectiveness of bracing for medial compartment osteoarthritis of the knee. The Journal of Bone and Joint Surgery. 2007;89(11):2398-2407.
  5. Duivenvoorden T, Brouwer RW, van Raaij TM, Verhagen AP, Verhaar JAN, Bierma-Zeinstra SMA. Braces and orthoses for treating osteoarthritis of the knee. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2015;(3):CD004020. doi:10.1002/14651858.CD004020.pub3
  6. 長野県工業技術総合センター. 動作解析によるサポーターの着用効果の数値化に関する研究. 令和5年度研究報告.

院長:表川

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