お気軽にご相談ください!
ランニングすると膝の外側が痛い…その原因と今すぐできる対処法を30代女性ランナーの改善例をもとに紹介
「最近ランニングを始めたら、膝の外側がズキズキ痛む…」そんなお悩みはありませんか?
- 運動不足解消のために走り始めたら、膝の外側が痛くなった
- 忙しい毎日の中で、気分転換にランニングをしているけど膝に違和感がある
- 痛みがあるけど、仕事や家事があるから休めない
もしこれらの症状に心当たりがあるなら、「ランナー膝」と呼ばれる症状に悩んでいるかもしれません。

こんにちは、滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。
当院に通われている30代女性のSさんも同じ悩みを抱えておられました。IT企業で働きながら二人のお子さんを育てるSさんは、健康維持のために1年前からランニングを始めました。
最初は3kmから始めて少しずつ距離を伸ばし、ハーフマラソンの大会に向けて練習量を増やしたところ、右膝の外側に痛みが出るようになったそうです。
「最初は走った後だけ痛かったんですが、だんだん走っているときも痛くなって…。でも大会まであと1ヶ月だったので、焦りもあって我慢して走っていたらとうとう走れなくなりました」と落胆した様子で話されていました。
そんなSさんに、あることに取り組んでいただくと右膝の外側の痛みがやわらいできたんです。そして、なんとハーフマラソンの大会にも出場することができたんです。
今回のブログでは、膝の外側が痛くなる原因、そしてSさんにも取り組んでいただいた対処法についてお話ししますので、ぜひ最後までお読みください。
ランニングで膝の外側が痛くなる主な原因とは?
まず、膝の外側が痛くなる1番よくある原因は、「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」というけがです。ランナーの方に多く見られるので、ランナー膝とも言われています。ちょっとむずかしい名前ですが、簡単に言うと、太ももの外側にある長いスジが、膝の骨とこすれて痛くなることです。

このスジ(靭帯)は、走ったり歩いたりするときにピンと引っ張られます。そのとき、膝の外側で骨とゴリゴリこすれて、だんだん痛くなってくるのです。
では、どうしてそのスジがこすれて痛くなるのか?よくある原因を4つご紹介します。
- 1.体のバランスが崩れているから
-
仕事や家事で、長い時間イスに座ったり、立ちっぱなしでいることはありませんか?
また、いつも同じ方でカバンを持ったり、子どもを抱っこするときにいつも同じ側に抱えるクセなどありませんか?
実は体のゆがみが走るときのフォームにとても影響しています。もしかしたらそのようなクセが膝の外側の痛みの原因かもしれません。
- 2.いきなり走りすぎたから
-
例えば、普段はあまり運動していないのに、いきなり5キロも10キロも走ったら体もびっくりしてしまいますよね。
「ひさしぶりに走ったら痛くなった」
「毎日がんばって走っていたら、だんだん痛くなってきた」そんなときは、体がついていけずにスジが傷ついているかもしれません。
- 3.足の筋力が不足しているから
-
ランニングでは、足やお尻、腰まわりの筋肉がとても大切です。でもその筋肉が弱いと、走るときに膝ばかりに力がかかってしまい、痛みが出やすくなります。
特に女性は、膝を守る筋肉が少ない人が多いので、注意が必要です。
- 4.靴や走り方があっていないから
-
自分にあっていないランニングシューズを使っていたり、間違ったフォーム(走り方)で走っていると、膝に変な力がかかってしまうこともあります。
例えば
- クッションがすりへった靴をそのまま使っている
- 足の裏の片方ばかり減っている
- 大きなサイズの靴を履いている
こういう状態が続くと、膝の外側がこすれて痛くなりやすいんです。
Sさんの場合、以下の原因が重なっていました。
- 大会に向けて、いきなり練習量を2倍に増やした
- 一日中パソコン作業で、腰やお尻の筋肉が固くなっていた
- 忙しさで、ストレッチや筋トレの時間が取れてなかった
- サイズの大きい靴を履いていた
膝の外側が痛いときにやってはいけない3つのこと
走っているときに、膝の外側がズキズキと痛む。そんなとき、頑張りすぎたり、間違ったことをしてしまうと、もっと痛くなることがあります。
ここではそんな時に「やってはいけない3つのこと」を、わかりやすくお話ししますね。
- 1.痛いのにムリして走ること
-
「ちょっと痛いけど、今日もがんばらなきゃ!」「走ってたら、そのうちよくなるかも…」
そう思って、痛みを我慢して走ってしまいがちですよね。
痛くても走ると、膝のスジ(腸脛靭帯)がどんどんこすれて、もっと痛くなります。そのまま走り続けると、膝の周りが腫れてしまったり、立っているだけでもズキズキしたり、少しの距離も歩けなくなったりすることがあるんです。
膝が痛くなったら、まずはしっかり休むことがとっても大切です。
- 2.痛い場所をグイグイもむこと
-
「ここが痛いから、揉めばよくなるかも!」と思って、痛いところをグイグイもんだり、ゴリゴリ押したりしていませんか?
実は、揉みすぎると、もっと傷ついてしまうことがあるので気をつけてください。
膝の外側が痛いときは、スジや筋肉がすでに傷ついていることが多く、そこを強く揉んでしまうと、もっと炎症が起きたりして痛みがひどくなるなんてことがあるので、痛い場所はやさしくしておきましょう。
膝の外側が痛いときの正しい対処法
突然の膝の痛みに「今日のランニングはどうしよう…」と悩んだことはありませんか?まずは、応急処置として以下の方法を試してください。
- 1.まずは無理をせずに休む
-
膝の痛みを感じたら、まずは走るのを一時的に控えましょう。「今日は少し痛いけど、予定の5kmは走りきらないと…」という気持ちはわかりますが、我慢して走り続けると症状が悪化する可能性があります。
痛みが強いときは、1〜2週間はランニングを休みましょう。完全に動かないのではなく、ウォーキングや水泳など、膝への負担が少ない運動に切り替えるのがおすすめです。また、次に紹介するトレーニングなどを行うようにしてください。
- 2.アイシングで炎症を抑える
-
膝がズキズキ、ジンジンする、熱っぽく感じる場合は、そこが炎症を起こしている状態かもしれません。そんなときは、冷やすのがとても大切です。
氷嚢やアイスパックで15〜20分程度冷やしましょう。タオルに包んで直接肌に当てないようにしてください。
- 3.軽いストレッチで筋肉の緊張を緩める
-
痛みが少しおさまってきたら、次は筋肉をやわらかくするストレッチがオススメです。特に、太ももの外側やお尻の筋肉がかたくなると、膝に負担がかかりやすくなるので、太ももやお尻をストレッチするようにしてください。
ただし、痛みを感じるほど強く伸ばすのはNGです。心地よく伸びる程度にとどめましょう。
膝の外側の痛みを予防する3つの方法
膝の外側の痛みを再発させないためには、日々のケアと予防がとても大切です。
1.太ももやお尻のストレッチ
ランニング前後のストレッチは必須です。特に、太ももの外側(大腿筋膜張筋)やお尻(中殿筋、大殿筋)の柔軟性を高めておきましょう。
- ①太もも外側のストレッチ
-
- 立った状態で右足を後ろに引いて両足を交差させます(足同士はこぶし1つ分ほど離します)
- 右手を頭の上にあげ、左手は左腰にあてます
- 右手をあげたまま上体を左に倒していきます。このときに左手で腰を支えるように押してください
- 太ももの外側が伸びるのを感じながら、20秒間キープします
- 足を入れ替えて反対側も行います(左右2~3セット)
-
- ②お尻のストレッチ
-
- 床に足がつく高さのイスに、やや浅めに座ります
- 右脚の膝を曲げ、外くるぶしを左膝のあたりに乗せます
- 両手は右脚のすねに添えます
- 息を吸って背骨を真っ直ぐに伸ばし、そのまま上体を前に倒します
- お尻の外側に伸びを感じたら、そこで20秒キープします
- 脚を入れ替え、反対側も同様に行います
-
2.股関節まわり・体幹を鍛える
筋力のバランスが崩れると、膝に余分な負荷がかかります。スクワットや体幹トレーニングも効果的です。
- ①スクワット
-
- 足を肩幅に開いて立ちます
- 膝がつま先より前に出ないように注意しながら、お尻を後ろに引くようにしゃがみます
- 太ももが床と平行になるくらいまで下げて、ゆっくり戻ります
- 10〜15回を1セットとして、3セット行います
- ②ヒップアブダクション(横に脚を上げる運動)
-
- 横向きになり両膝を曲げます
- 上になっている足の膝をまっすぐ伸ばした状態で持ち上げます
- つま先がかかとよりも上になるようにして意識してあげてください
- 足の付け根が曲がらないように意識しながら5秒キープします
- 足をゆっくり下します
- この動作を10回繰り返し、反対側も同様に行います(左右3セット)
-
3.シューズや履き方を見直す
- 靴のすり減り方が偏っていたり、すり減ったまま履き続けていませんか?
- 自分の足のサイズよりも大きな靴を履いていませんか?
- 靴を履くときに紐を結ぶのが面倒なのでそのまま履いたりしていませんか?
すり減ったまま走っているとクッションがなくなり膝への負担が大きくなるので、新しい靴で走るようにしてください。ちなみにランニングシューズの寿命はおよそ500㎞と言われています。
また足にぴったりのサイズ(実寸よりも0.5~1.0㎝大きい)で、履くときには靴ひもを足先から締めなおすようにすると足にフィットした感覚で走ることができますよ。ぜひ試してください。
Sさんは、走っているときに足の指が当たる感じが嫌で大き目の靴を履かれていました。また時間がないので、靴ひもは解かずに脱ぎ履きをされていたので、足を計測して理想のサイズをお伝えしたところ1.5㎝も大きな靴を履いていたことに驚かれていました。

まとめ:膝の痛みを克服し、ランニングを続けるために
膝の外側の痛み、ランナーに多く見られる症状です。このブログで紹介したように、その原因は複合的で、体のバランスの崩れ、急な運動量の増加、筋力不足、不適切なシューズの使用などが挙げられます。
当院に通われていたSさんの場合も、ハーフマラソンに向けた急な練習量の増加、デスクワークによる筋肉の硬直、ストレッチ不足、そして大きすぎるシューズの使用という複数の要因が重なっていました。
Sさんは最初、痛みを我慢して走り続けていましたが、それが症状を悪化させる一因となっていました。当院での適切な対処法の指導を受け、以下のポイントに取り組んでいただきました。
- 適切な休息:痛みが強いときは無理をせず、ランニングを一時的に休止
- アイシングによる炎症の抑制:痛みのある部分を適切に冷やす習慣づけ
- 効果的なストレッチ:太ももの外側やお尻の筋肉の柔軟性を高める
- 筋力トレーニング:特に股関節周りと体幹の筋力強化
- シューズの見直し:足のサイズに合った適切なシューズの選択と正しい履き方
これらの取り組みを継続した結果、Sさんの膝の痛みは徐々に改善。そして何より嬉しいことに、目標としていたハーフマラソンを見事に完走されたのです!
「最初は諦めかけていたハーフマラソン。でも適切なケアと対策を続けることで、痛みなく走れるようになりました。完走できた時の達成感は忘れられません!」とSさんは笑顔で話してくれました。
膝の痛みは、正しい知識と対処法をおこなえば、30代以降も安心してランニングを続けることができます。
痛みを感じたら、まずは無理をせず、このブログでご紹介した対処法を試してみてください。そして、改善が見られない場合は、お気軽にご相談ください。きっとお役に立てると思います。
大樹整骨院では、Sさんのように膝の痛みに悩むランナーの方々を多くサポートしてきました。あなたの「走りたい」という気持ちを大切に、一人ひとりに合った対処法と予防策をご提案します。
ランニングを楽しむ毎日を取り戻すお手伝いを、私たちがさせていただきます。
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】
