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【登山好き必見】下り坂で膝が痛いのはなぜ?50代女性に多い原因と今すぐできる対策
こんにちは!滋賀県守山市にある大樹整骨院院長の表川大樹です。今日は多くの登山愛好家が悩む「下山時の膝の痛み」について、原因と対処法をご紹介します。

こんなお悩みはありませんか?
- 登山の上りは問題ないのに、下りになると膝が痛くて歩くのがつらい
- 階段を降りるときに膝がズキズキして、つい手すりを探してしまう
- 膝の痛みのせいで、好きな登山を諦めなければならないかと不安
このようなお悩みをお持ちの方は、決して一人ではありません。実は50代女性の多くが同じ悩みを抱えています。私のもとにも「山登りが好きなのに、下りの膝の痛みで楽しめなくなった」という相談がたくさん寄せられます。
でも、大丈夫です!適切な知識と対策があれば、膝の痛みをやわらげて、大好きな登山を続けることができます。今日はそのヒントをお伝えします。
1. なぜ下りで膝が痛くなるの?その意外な原因
「上りは平気なのに、なぜ下りだけ膝が痛むの?」
これには明確な理由があるんです。実は下りの動作は、上りよりもずっと膝に負担がかかるんですね。

上りでは、ふくらはぎやお尻の筋肉が主に働きますが、下りでは膝の前側の筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)が体重を支えながら、ブレーキの役割をします。このとき、体重の約3~4倍もの負荷が膝にかかると言われています。
例えば、体重60kgの方なら、下りでは一歩ごとに180~240kgもの負担が膝にかかる計算になります。これは冷蔵庫を背負って歩いているようなものなんです。
特に50代になると、次のような変化が起きやすくなります。
- 1.軟骨のクッション性が低下する
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年齢とともに膝の軟骨が薄くなり、衝撃を吸収する力が弱まります。これは、新しいスニーカーと古いスニーカーの違いのようなもので、新品のときはクッション性が高いですが、使い込むとへたってきてクッションが悪くなりますよね。
- 2.筋力の低下
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特に太ももの前側の筋肉が弱くなると、膝への負担が増えます。この筋肉は下りでブレーキの役割をするので、自転車のブレーキが弱いと止まれないように膝への負担がふえて悲鳴をあげてしまいます。
- 3.姿勢の変化
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年齢とともに姿勢が変わり、膝への負担の仕方も変わってきます。例えば、猫背になると骨盤がうしろに倒れるため、膝への負担が増えてしまいます。
デスクワークで1日中座っているYさんは、太ももの筋肉が弱くなっていました。月に一度の登山を楽しみにしていましたが、下山時に膝が痛くなり、最後は友人に遅れをとってしまうことがよくありました。
自分だけ遅れをとってしまうことで、友人にまた迷惑をかけてしまうかもと思うと、楽しみだった登山が億劫になってきていると。
ですが、Yさんにあることに取り組んでいただくと、下山中の膝の痛みが和らいできたんです。しかも、友人に遅れを取ることもなく、以前のように毎月の登山が楽しみだと嬉しそうに話されていました。
では、Yさんにも取り組んでいただいたことを公開しますね。
2. 痛みが出たときの即効対処法
登山中に膝の痛みが出てしまったら、どうすればいいのでしょうか?ここでは、その場ですぐにできる対処法をご紹介します。
①歩き方を工夫する
下山時の基本は「小さな一歩」です。大股で下ると膝への衝撃が大きくなります。小さな歩幅で、膝を少し曲げた状態をキープしながら下りましょう。
山の中を駆け回るトレイルランニングをしているKさんは、登山の下りで膝が痛くなると、意識的に歩幅を小さくし、ジグザグに下ることで負担を減らしていると教えてくれました。「まるで雪山でスキーをするような感覚でくだると楽なんです!」
②ストックを上手に使う
トレッキングポールやストックは、登山では強い味方になってくれます。正しく使えば、膝への負担を約30%も軽減できると言われています。

使い方のコツは:
- 下りでは少し長めに調節する
- 体の前方に突くようにして、腕で体重を支える
- 両手で使うと、さらに効果的
長年の登山経験があるTさんは「若い頃はストックなんて使わなかったけど、今ではストックが私の第三の足になってます。これがあるから孫と一緒に低山ハイキングも楽しめるのよ」と笑顔で話してくれました。
③休憩時のケア
下山中、定期的に休憩をとることも大切です。
休憩時には次のことを意識して行ってください。
- 膝を少し高くして座る
- 膝周りを優しくマッサージする
- 水分をしっかり摂る(筋肉の働きには水分が必要です)
「でも、休憩ばかりしていると遅れてしまう…」と心配する方もいるでしょう。しかし、無理をして痛みを悪化させるよりも、短い休憩をこまめに取る方が結果的には早く安全に下山できます。
3. 次の登山を楽しむために膝の痛みを予防する日常生活の工夫
登山の膝痛を根本的に解決するには、日常生活での対策が最も効果的です。特に次の3つのポイントを意識してみてください。
①膝を支える筋肉を鍛える
太ももの前側(大腿四頭筋)と後ろ側(ハムストリングス)のバランスよい筋力アップが重要です。
そこで簡単にできる自宅エクササイズを紹介します。
- 椅子スクワット
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椅子に腰掛けるように浅く座り、ゆっくり立ち上がる動作を繰り返します。この動作を10回×3セット行います。これならテレビを見ながらでもできますね。
- レッグエクステンション
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- 仰向けに寝て、両手を体の横に置きます。
- 片足は膝を立てて、もう片方の足は膝をまっすぐ伸ばしたまま上げていきます。
- 30㎝ほど上げたところで5秒間保持し、ゆっくりと下ろします。
- 左右10回ずつ行います。

②柔軟性を高める
筋肉が硬いと、膝への負担が増えます。特に太ももの前側と後ろ側、ふくらはぎの柔軟性を高めましょう。
自宅でできる簡単ストレッチを紹介します。
- ふくらはぎストレッチ
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- お風呂上がりに、壁に手をついて片足を後ろに伸ばし、ふくらはぎを伸ばします
- そのまま20秒キープし、反対側も同じように行い3回ずつ繰り返しましょう
- 大腿四頭筋ストレッチ
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- 壁や椅子に軽く手を添えて、片方の足の甲を持ちます
- かかとをお尻に近づけるようにしながら、太ももの前側を伸ばします
- そのまま 20秒キープ し、反対側も同じように行い3回ずつ繰り返しましょう

- 太もも裏側(ハムストリング)ストレッチ
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- 椅子に座って片足を伸ばし、つま先に手を伸ばす
- 膝が曲がらないようにして、つま先を手前に引き寄せます
- そのまま 20秒キープ し、反対側も同じように行い3回ずつ繰り返しましょう

立ち仕事をしているKさんは、「仕事の後は足がパンパンになるので、帰宅後に必ずストレッチをしています。これを始めてから、仕事の疲れも取れやすくなったし、登山の翌日の膝の痛みも減りました。」と話してくれました。
③体重管理と日常の歩き方
体重が1kg増えると、膝への負担は約3kg増えると言われています。健康的な食事で適正体重を維持することも、膝を守る重要なポイントになります。
また、日常の歩き方も見直してみましょう
- かかとから着地する
- おへそから足を前に出すイメージ
- つま先から地面をける
これらの事を意識するだけでも膝への負担が軽くなります。
4. まとめ
登山の下りで膝が痛くなる原因は、主に加齢による軟骨のクッション性の低下や筋力の衰えです。でも、適切な対策を取れば、50代、60代になっても楽しく登山を続けることができます。
日常生活でできること
- 太ももの筋力アップ
- 柔軟性を高めるストレッチ
- 適正体重の維持と歩き方の見直し
登山中にできること
- 小さな歩幅で下山
- ストックを上手に使う
- こまめな休憩と水分補給
もし膝の痛みが慢性化してしまったら、我慢せずに専門家に相談することも大切です。適切な検査と治療で、根本的な改善が期待できます。
大樹整骨院では、登山愛好家の膝の痛みに悩む方々のサポートも行っています。
「まだまだ登りたい山がたくさんある!」そんな思いを大切に、膝の痛みに負けない登山ライフを送ってください。あなたの山登りの夢、応援しています!
【監修:柔道整復師・鍼灸師 表川大樹】
